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吉野山の桜 2011年4月6日
3月31日の朝、9時過ぎに鹿児島空港を離陸した飛行機(ANA)は1時間余りで大阪(伊丹空港)に着いた。その日の目的は奈良県の吉野山を訪ねることだった。勿論、日本で一番の桜の名所、「吉野山の桜」を見るためだ。 長岡を出発する5日前に吉野町の観光商工課に電話をして、桜の咲き具合を尋ねると、「今年は寒くて4月5日過ぎにならないと吉野山の桜は咲かない」と言われた。先に送っていただいた吉野町の観光資料では通常は3月末から咲き出すと書いてあるのだが、今年は異常気象で寒い冬で10日遅れているのだそうだ。 来年のスケジュールはもう、決まっていて、来年に延ばすわけにはいかないのだ。(来年の3月末はバンクーバーの桜の旅) 桜をこよなく愛した西行法師(平安時代末期の歌人)は吉野の桜を春咲く桜ばかりでなく四季の桜を愛した。私は、未だ咲かぬ蕾の桜を観るのも風情がある、」と西行法師の気持ちになったような気分で出かけたのである。 大阪から近鉄特急で行けば、1時間20分で吉野駅に着くのだが、私はJRの長距離(ジパング使用)の安い切符を持っていた。5回乗り継いで(吉野口からは近鉄)吉野駅に着いたのは午後1時だった。 日暮れまでは5時間ある。有効に時間を使って山奥の「西行庵」まで行ってくるぞ、と時計を見ながらの行動が始まった。 吉野の桜の観光は駅前辺りから始まる。その辺りは下千本という桜の名所であるがやはり桜の花は咲いていなかった。そこから、山に向かって中千本、上千本、奥千本と続くのだが、少しでも時間を稼ぐためにロープウェーに乗って吉野山駅までいった。(約5分) そこからが吉野の桜のメーンストリートである。毎年桜の咲く時期は10万人以上の観光客が吉野の桜を観に来るのだそうだ。黒門、銅の鳥居、金峯山寺、吉水神社と由緒ある遺産を見ることができた。いずれも境内には桜の木が一杯植えられているが未だ蕾の状態だった。 ここでちょっと吉野山の桜について紹介させていただく。 吉野山近辺一帯に咲く桜のことで、殆どが白山桜(しろやまざくら)である。奈良時代から吉野の桜は日本一有名な桜であった。その山全体に咲く桜を吉野桜と言っているのだそうだ。 吉野の桜が山桜であるというのも嬉しい。百万年くらい前にヒマラヤで発生して何十万年もかかって日本にたどり着いた時は山桜であった。(染井吉野は江戸時代、染井村(現在の練馬区)の植木職人が交配したもの) 古代より吉野の人々は自然の桜を愛でて現在に齎したのだと知って感動した。観光商工課の話では、現在は200種3万本の桜があるが白山桜が主体とのことである。吉野山全体が世界遺産として登録されている。 同じく世界遺産の吉永神社を見て、大通りに出た。私は3時15分に勝手神社の近くから上千本を通って、金峯神社(これも世界遺産)に行くバスがある事を知っていた。「西行庵」に行くにはそこから歩いて40分だというのも事前に調べていた。 通りはお土産屋が立ち並んでいた。 私はバス停がどこにあるか分からなかったので、芳泉堂という和菓子屋さんの奥さんが店先におられたので尋ねた。 そこから歩いて15分以上もかかるので歩いては間に合わないとのことだった。 奥さんはご主人(横矢保夫氏)を呼ばれた。「この車に乗りなさい。バス停まで送ってやります。何という感動。 私は申し訳ないので、一番安い525円の和菓子(アンコの入った落雁)を買った。 バス停に着いたのは3時10分だった。しかし、その日は金峯神社行のバスはなかった。 私は「1時間位西行庵の方を目指して歩いてから戻ります」とお礼を言って、お別れしようとすると、また、また感動。「せっかく西行庵まで行こうと思って遠くから来たのだからこの車に乗りなさい。金峯神社まで送ってやります」(その先は車が入れない) どこの馬の骨か分からぬ見ず知らずの私に親切にしてくださる吉野の優しい方に頭が下がった。私は金峯神社前で下りた時、「これ、ほんの気持です。ガソリン代です」と、千円札を1枚渡そうとしたが、どうしても受け取ってはくださらなかった。 「いまどき、こんなに親切な方が吉野にはおられるんだ。私も万分の一でも見習わなければ」。私は熱いものがこみ上げてきた。 吉野山の桜は咲かずとも、億万の桜の蕾がパッと咲いたような気分になった。 帰り道、中千本の近くの民家の庭に早咲きの桜が咲いていた。吉野で桜の花が見れたのである。 もう1ヵ所、感動の桜のを見ることが出来たのだが、それは、次回のブログで書かせていただく。(これも涙なくして語れない) ---------------------------------------------- 写真説明: 1、 吉野山の桜が満開になるとこのように見事に咲く。これは吉野駅前に張ってあったポスターの一部分の写真。(吉野桜は花が咲く時、葉も一緒に出るのだそうだ) 2、 中千本近くの民家の庭で咲いていた早咲きの桜。 3、 西行庵からの帰りの峠で見た春霞に浮ぶ吉野の山々。 ゆらのと=峰村剛 (長岡市在住) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2011年04月06日 19時48分59秒
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