805095 ランダム
 HOME | DIARY | PROFILE 【フォローする】 【ログイン】

弁護士YA日記

弁護士YA日記

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

PR

Profile

YYY0801

YYY0801

Calendar

Category

Free Space

〒420-0837
静岡市葵区日出町5-3
TEL 054-269-4590
FAX 054-269-4591
http://hinodecho-law.jp/
日出町法律事務所
2019年6月より1年間、日本弁護士連合会客員研究員としてイリノイ大学アーバナシャンペーン校に留学後、弁護士業務を再開しました。
弁護士葦名ゆき(あしな・ゆき)
2012.06.14
XML
カテゴリ:カテゴリ未分類
今月11日、水俣病研究の第一人者であった原田正純さんがお亡くなりになった。

私はお目にかかったこともなく、これまで、原田さんのご著書をちゃんと拝読したこともないのだけれど(・・・反省、今から、取り寄せてしっかり読みます。確か、実家に何冊かあった本は、目を通した気がするのですが本の題名までは覚えていない体たらく・・・)、胎児性水俣病を告発した医師として、遠くから勝手にご尊敬申し上げていた。

ご逝去のニュースを新聞やインターネットニュースで拝読し、改めて、弱者に寄り添うことを貫かれた生き方に感銘を受けた。

配信されたご生前の写真は、語りかけてくるような柔和で穏やかな表情ばかり。紙面越しですら、一度是非お会いしたかったなあと思わせるオーラをお持ちなのだから、ましてや、全身を襲う痛み、先が見えない苦痛にのたうつ患者さんにとって、原田さんの慈雨のような想いが心に流れ込んでくるような気がしたのではないだろうか。

年を重ねれば重ねるほど、誤魔化しようがなく生き方が顔に滲み出てくるとよく言われるが、原田さんのお写真を見ていると、本当にそうなのだろうなあと実感する。

一方で、優しく柔和な表情の中に、確固たる信念を秘めていらした方でもある。
6月12日付朝日新聞の夕刊によれば、

加害企業や国家と被害者の圧倒的な力の差から「本当の中立は弱い立場に立つこと」と信じ、数々の訴訟で患者側に立って証言した。「被害者側に立ちすぎる」との批判には、「医学は患者のためにある」と一蹴した。

とのこと。この短い文章だけでも、原田さんの生き様が分かる。
それにしても、「本当の中立は弱い立場に立つこと」。
なんと深い言葉だろうか。この言葉は、法律学を学ぶ人、法律を道具として使う人であれば、心に刻むべき言葉ではないだろうか。

水俣病以上の規模の原発事故被害者が存在する現在、原田さんが発したメッセージを、遺された者がそれぞれの立場で実践していかなければならないと感じる。

人の一生はいつかは終わるけれど、その人が誰かの心に灯した光は、その人が亡くなっても消えることはない。

原田正純さん、ご冥福を心からお祈り申し上げます。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2012.06.14 05:50:41



© Rakuten Group, Inc.