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弁護士YA日記

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日出町法律事務所
2019年6月より1年間、日本弁護士連合会客員研究員としてイリノイ大学アーバナシャンペーン校に留学後、弁護士業務を再開しました。
弁護士葦名ゆき(あしな・ゆき)
2012.06.18
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カテゴリ:弁護士業務
以前にも、拙ブログにてご著書を紹介したことがある鷲田清一氏。

http://plaza.rakuten.co.jp/yyy0801/diary/201204110000/

6月16日付東京新聞に、下記の投稿を寄せておられる。

鷲田さんコラム

相変わらず平易でありながらも人の心にさらさらと沁み込んでいくような語り口。

私、高らかに宣言してしまいますが、氏の言葉の大ファンです!本当に憧れてしまいます。
法律学じゃなくて哲学をベースにされているからかなあ、と思いつつ、でも、本当は、こういう語り口は、触れようとされるだけで、しくしくと痛んで血を流してしまう心を抱えた方と接することが多い実務家法曹にこそ身につけなければいけない資質であると思うのです。

「哲学」だから、異分野だから、私には獲得することは無理、なんて、最初から諦めたくない。

それにしても、何で私たちは、言葉を使って、言葉を武器に、言葉を商売道具に、人と接する仕事なのに、言葉の使い方が、養成課程の必須プログラムに入っていないのだろう。
どんなに高度な知識があっても、「伝え」なければ、目の前にいる人の心に「届け」なければ、何の意味もない仕事の筈なのに・・・。

知識をないがしろにするつもりはないし、常に常にアップデートして努力していかないといけないことは、自戒を込めて、怠ってはいけないことだと思ってはいるのですが、「言葉の力」もっと強化したいなあと自分でも勿論痛切に思うし、システムとしてもなんとかならないのかなあと思うことは本当に良くあります。

でも、「言葉の力」って、人生全課程を通して育んでいく力でもありますよね。
となると、法律家の養成課程の問題というよりは、教育システム全体を見ないと駄目なのかしら・・・。心の繊維となる言葉は、子どもの頃から、置かれた環境の中で、その子なりの感性で吸収していくものであって、上から一方的に与えられるものでもないでしょうから、「教育システム」に組み込むという発想自体が違うような気もします。

う~ん。答えが出ない。でも、ホント、いつも問題意識を持っているテーマだけに、今後も考え続けていきたいです。


さて、本題。
このコラムは、知的障害者の方のアート作品への向き合い方、教師が子どもたちと学校給食を食べる際のスタンスを例に、何故、先日の大飯原発再稼働の首相会見が、人の心に響くことも沁みることもなかったどころか、多くの人を諦めと絶望と悲しみに追いやったのかに、鋭く踏み込んでいる。

氏の「専門家」の定義は、これ以上ない程、秀逸だ。

信頼できる専門家とは、特別な能力のある人でも、じぶんたちに代わって責任を取ってくれる人でもなく、だれにも答えがみえない問題を「いっしょに考えてくれる」人のこと。

・・・このまま広辞苑に載せたいくらいの分かりやすく本質を突き、自称「専門家」と名乗るすべての人に自戒を迫り、真摯な反省を促す定義ではないでしょうか。

本当にそうだと深く頷いてしまう。
私は、今更言っても意味がない、そんなこと期待するのはばかげているって言われても、それでも言いたいので書いちゃいますけどね、政府、東京電力、原子力発電所の推進者といった「専門家」には、福島第一原発の事故で、積み重ねてきた人生を奪われた方の悲しみ、苦しみを、本当に想像してほしい、それで、真摯に謝ってほしい、今でも本気で思っています。

「ご被害者様」なんてヘンテコな日本語を使ってまでへりくだった見せかけの態度を装わなくていいから、「あなたの悩みは分かった、それで、一体、いくら欲しいんだ」と、札束で頬を叩くような真似はしなくていいから、お願いだから、本当に心底、「本当に悪かった。ごめんなさい。あなたの人生を奪ってしまって申し訳ありません。どうやったらあなたの苦しみを少しでも軽くできるのか一緒に考えます。」ってそう言って欲しい。

そう言ってくれれば、少しは救われるのに、少しは泣けるのに、少しは光を見いだすことができるのに・・・って心がちぎれそうに強く思う時があります。

今からでも遅くないと思う。一人でも多くの「専門家」に鷲田氏の「専門家」の定義に沿った行動をしてほしいと真摯に願います。

そしてまた、私自身も、一人の「専門家」として生きていきたいと思います。





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Last updated  2012.06.19 03:40:57
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