デフレの解決策は賃上げあるのみ
「そして彼らは立ち上がった。もう一度」そう、小林多喜二の小説『蟹工船』のラストシーンだ。労働者階級は団結して、立ち上がればならない。いま、国民同士を切り離すような仕掛け作りがおこなわれ、結果的に、国民の暮らしを破壊する数々の悪政によって、財界だけがうまい汁にありついているが、いずれ、日本国民はスクラムを組んで、悪政を変えるときが来るはず。そう遠くはないはずだけど、果たしていつになるのかは、まだまだ簡単にはみえてきませんです・・・ハイ。という話は、横に置いて、今日は、デフレの話。いつまでたっても、物価が下がり続ける現象が、デフレ。ちょうど今なのである。経済に鈍感すぎる、というよりも、国民の生活なんかおかまいなしの民主党・菅政権も、6月11日の「所信表明演説」で、「当面はデフレからの脱却を喫緊の課題と位置づけ、日本銀行と一体となって強力かつ総合的な政策努力を行います」と述べてた。その認識の上で、7月23日に閣議決定した「経済財政白書」では、日本が主要先進国で唯一のデフレに陥った背景として、約20年前のバブル崩壊がもたらした慢性的な需要不足があったことをおよそ50ページにもわたって分析してみせている。だいたい、政府の白書なんだから、もっと、国民や中小企業が苦しんでいる原因はなんなのか、明確な答えを求めたい。しかし、それが出てこないのだ。白書では、人々の期待物価上昇率が低いからだとして、その原因は、現実の物価上昇率が低いからだと結論付ける。まあ、結論的に言えば、白書が言っているのは、デフレから脱却するのは、デフレを止めることだ、というくらいのこと。(ここまでの話、わからなくいいんですよ。私もよくわかりません)これだから、日本経済は、どうしようもなくなっている。では、デフレの原因は、一体なんなのか。先進国の中でデフレに陥っているのは、実は日本だけ。日本の物価が、継続的に下がるようになったのは、1998年から。だいたい12%、物価は下落しているという。なぜ日本だけこうなったのか。物価とともに、この10年間で、日本だけが下がったものがある。賃金だ。先進国の中で、ひとり日本だけが賃金が下がり続けている。これも、この10年間で、だいたい12%下がっているのだ。多くの日本人が、リーマンショックはアメリカ発の経済危機だから、日本だけでなく、アメリカもヨーロッパも、賃金は下がっていると思い込まされている。しかし、この10年を見ると、アメリカは56%上昇、フランスは37%、ドイツは13%、どの国も上昇しているのだ。物価と賃金。当然、かかわり深い数字だよね。賃金が上がらなければ、各家計の購買力は弱くなり、市中ではものが売れない、ものが売れないから値下げしてでも売ろうとする。だから、物価が下がるわけだ。先進国の中で、日本だけが、賃金が下がり続けて、日本だけが、物価が下がり続けている。何でこんなことを政府は分析できないのか。それは、分析できないのではなく、分析の結論をわざとに賃金に持ってこないわけである。たいだい、ヨーロッパでは、同一労働同一賃金が社会の常識。雇用が増えれば、労働者の総所得も増える。ところが、日本では、雇用が増えても、正社員がリストラされ、非正規労働者が増え、したがって労働者の総所得は増えない。だから、デフレを克服できずにきている。ここまでで、お解かりのように、デフレ脱却策は、実に単純明快。労働者の賃金を上げればいいのだ。民主党政府は、民間企業が賃金を引き上げられる環境をただちに作り、賃金を引き上げようの大キャンペーンをおこない、最低賃金の引き上げや、非正規労働者をやとっている企業にはペナルティーを課す様なことを直ちにやるべきだ。いまやれば、まだ、間に合う。しかし、決断しなければ、日本経済はとりかえしのつかないところまで、間違いなく落ちていくぞ。賃金上げても、民主党の支持は減らない。減るのは財界からの企業献金かもしれないが、菅民主党にこの決断は、おそらくできまい。すると、国民と労働者は、団結して、この政府を倒して、賃金を上げる政府にすればいい。「そして彼らは立ち上がった。もう一度」。労働者階級は団結して、立ち上がればならない。【業務連絡】今日は、堅い話だった?難しかった?ご感想を。