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カテゴリ:自宅ショップ開業日記あらため、営業日記
4月24日 月曜日のこと。
4日後の28日に自宅ショップをオープンするため、 朝からせっせと大工仕事に精を出していた。 午前9時ごろだった。 その時、電話が鳴った。 電話の相手は名乗りもせず、 あわてた口調で いきなりこう言った。 「ちあきッ! 聞いたかっ!? 」 「何?」 「お父さん亡くなった」 兄だった。 落ち着いて。 落ち着いて。 落ち着いて。 うろたえちゃダメ。 家のことを片付けて、一刻も早く駆けつけなくっちゃ。 電動ドライバーを投げ出して、2階に駆け上がった。 まず、子供たちの学校に電話。 そしてダンナに電話。 犬のシッターさんに連絡をして、 子供会の急ぎの案件を片付けなくてはッ! (子供会の会長なんです) 気持ちばかりが焦ってしまい、 しなければいけないことを、 ちゃんとしているかわからなくなる。 あちこちに電話をかけまくり、 その間にも、同じくらいあちこちから電話がかかってくる。 ようやく全てのことが片付いて出発できたのは、 夕方の6時ごろだった。 私の実家は、距離にして500キロ彼方。 おまけに交通の便はあまりよくない。 高速道路をどんなに飛ばしても、6時間はかかる。 前日、不思議なことがあった。 オープンを間近に控え、 音が出るので、いつも夜の作業はしなかったのだが、 この日は夕食後も内装作業をしていた。 夜の9時ごろ、ピンポ~ン と インタ-フォンがなった。 作業をしていたのは1階なので、 ちょっと首を伸ばせば、外のインターフォンが見える。 あれ? 誰もおらへんで。 以前、インターフォン内部に水が入って、 故障したことがあった。 そのときも、外から押さなくても ピンポ~ン と何度も鳴っていた。 それについてはちゃんと修理したし、 その後は、水がかからないようにした。 なのに・・・ あの時と同じやん。 「また故障したんか?」 するとすぐにまた ピンポ~ン♪ やっぱり誰もいない。 立て続けに、また鳴った。 全部で5回鳴って、ピタリと止んだ。 そのあとは、もう鳴らなかった。 ウチの家族は5人。 この家に引っ越してきて3年余りたつが、 父は、この家に一度も来たことがなかった。 翌朝、兄からの電話のあと、 昨晩のことを思い出した。 お父さん、会いに来てくれたんや。 父はガンを患ってから、病気のデパートみたいに、 いろんな病気を抱えていた。 最近、ちょっと状態が思わしくなくて、 寝てばっかりだったらしいが、 海外の薬を用いた最新治療を受ける決心をして、 病院のベッドの空くのを待っていた。 でも一方では言葉にはしないけど、 あまり長くはないだろう という認識はあった。 でも、まさかこんなに急に亡くなるなんて、 誰も思ってなかった。 悲しいとか、辛いとか、 そういう感情は、なかなか出てこなかった。 ただただ、ポッカリと心に穴が開いて、 張り詰めていた糸がプツリと切れたのがわかった。 通夜、葬式、初七日法要を済ませ、 母一人になってしまった実家で2週間過ごした。 その後自宅に帰ってきたものの、切れた糸は切れたまんま。 もしかしたら、父は私に、 何か気付かせようとしているのかもしれない。 スケジュールが無謀だったとか? 今は時期じゃないとか? ほかに優先するべきことがあるとか? もっと深く考えることがあるとか? 何だろう? 何かあるんだろうか? 何もないのだろうか??? 答えは見つからない。 さらに2週間が過ぎようとしているころ、 ようやく切れた糸の端っこを見つけることができた。 結んでみた。 私の中で「プチッ!」と、スイッチの入る音がした。 今日もまた、電動ドライバーと丸ノコを駆使して作業をした。 ひと月遅れのオープンに向けて、ようやく始動! お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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