リュウちゃんの懐メロ人生

2010/07/28(水)22:42

大相撲の栄光と挫折(3)~大相撲改革案(2)

スポーツ(5)

  土俵には金が埋まっている(第45代横綱・若乃花) 史上初のNHKテレビ中継なし、天皇賜杯なしの大相撲名古屋場所は、6月25日に幕を閉じました。終ってみると、横綱白鵬の3場所連続全勝優勝、大鵬を抜いて史上3位となった47連勝達成、秋場所にも、千代の富士の53連勝を抜きさる事が視野に入ってきましたね。名古屋場所千秋楽の結びの一番、対把瑠都(ばると)の一戦は、手に汗握る熱戦で、改めて大相撲の面白さ、奥の深さをファンに堪能させてくれました。 やっぱり、大相撲は面白い! リュウちゃん、前回のブログで、「大相撲の抜本的改革は、幕下以下の力士にも賃金を支払うことである」という提案を致しましたが、コメント頂いた皆様の意見は、概ねリュウちゃんの提案に賛成頂きました。幾つかのコメントを以下に紹介させて頂きます。 18歳有資格はともかく、相撲取りやってて無給はないですよね。この改革案断然いいでですよ(清教寺様)ご意見にミコちゃんも賛同します、『苛めの様な無給』には人間としてのプライドが保てませんね(ミコちゃん様)無給力士を無くす、皆様と同じで私も大賛成です(HARU@お友達募集中様) やはりプロであれば、賃金を支給されるのは、当たり前のことですよね、「衣食足りて礼節を知る」という格言は、現代でも、真理として生きているのです。 表向きの力士の所得は、プロ野球などの人気スポーツと比べますと、決して多いものではありません。現在、横綱の月収が282万円、単純化しますと、この12倍が基本的年収という事になります。282×12=3385万円、国技のトップスターの俸給としては、むしろ非常に少ないといえそうです(因みに、十両の月収は104万円、ですから、関取の最低年収は、104×12=1248万円です)、現在のプロ野球選手の最高年俸は6億円(巨人:イ・スンヨプ)、の1/20、プロ野球の平均年収が3600万円位ですから、横綱の給与は、プロ野球の平均年俸より低い事になります(力士の給料は、この基本給に、「給金」という独特の制度がありますが、ここでは一般に公開されている給与のみで比較しました)ここに「ゴッツぁん」体質の淵源があるように、リュウちゃんは感じます。 昔から大相撲は「ゴッツぁん(ごちそうさま)の世界」と云われています。いいタニマチ(後援者)を持っている力士は、それこそ衣食住全てにわたり、タニマチのお世話になる、化粧回しのプレゼントは云うに及ばず、部屋以外での飲み食いから、夜の接待まで、何から何までタニマチ頼り、関取が一晩で高級にぎり寿司を100万円分、ペロリと平らげたとか、優勝した力士に1億円ポンとプレゼントしたとか、タニマチにまつわる途方も無い話が山とあります。しかも、この所得が贈与税として申告される事は殆ど皆無に近い、タニマチから、親方、力士への金の流れは、正に「闇の世界」のようです。 大相撲の「タニマチ」の実態は、どんなのもなのでしょうか? 「タニマチ」は、力士などのスポーツ選手、演歌歌手などに多額の金品を提供する「個人後援者」のことです。語源は、明治の初期に、現在の大阪市中央区谷町(たにまち)で開業医をしていた医者が大の相撲ファンで、診察に訪れた力士の治療費を受け取らなかったという逸話から来ているようです。 「タニマチ」は、一般人にとっては、正に「闇の世界」で、ほとんど具体的な実態が判らないようですが、ウィキペディアに揚げられている何人かの「タニマチ」の名前をここに再掲します。 佐川清、渡辺広康、泉井純一、浅田満、細木数子、山本英俊、野口美佳、高須克弥、 リュウちゃんのような一般人にとりましても、何人か名前を聞いたことのある人物がいます。ここでは、最初の二人(佐川清、渡辺広康)について、少し触れて見ます。 佐川清氏、佐川急便の元社主(初代社長・会長)、同郷の田中角栄元首相の他、多くの芸能人、スポーツ選手などと交際が深く「日本一のタニマチ」と呼ばれていました。平成4年には、東京佐川急便の渡辺広康社長が、懇意にしていた広域暴力団・稲川会会長:石川進氏とその系列会社に約1000億円もの融資・債務保証をしたとして、特別背任罪に問われた「東京佐川急便事件」が起こりましたが、国会に証人喚問された佐川氏は体調不良を理由にこれを拒否、事件の本質は、まさに「闇の世界」に埋もれてしまったようです。 渡辺広康氏は上記のように「日本一のタニマチ」、佐川清氏の腹心です。竹下登氏が首相になった時には、竹下氏の腹心である金丸信氏に頼まれて、懇意にしている稲川会会長・石川進氏に依頼、いわゆる「右翼ホメ殺し事件」を止めさせた人物です。二人とも、労働基準法を無視した超長時間労働を社員に強いて、荒稼ぎした金を政界・暴力団、そして相撲界へは「日本一のタニマチ」として、大盤振る舞いをしていた人物なのです。 先週、元大関若島津の松ヶ根親方が率いる松ヶ根部屋が、名古屋の宿所を長期にわたり暴力団に関係した人物から提供されていたとのニュースがながれ、当の松ヶ根親方は記者会見で、「暴力団員ではなく、実業家だと思っていた」という趣旨のコメントをしましたが、果たして、善良な実業家が、途方も無い金品を授与するような「タニマチ行為」が出来るのでしょうか?このような「タニマチ」は、表の顔は、佐川清・渡辺広康氏のように実業家、しかし、暴力団と密接に繋がる「裏の顔」を持っている場合が多いのではないかと、リュウちゃんは推定いたします。 ここで、リュウちゃんの「大相撲改革案(2)」を書きます。 ★    リュウちゃんの大相撲改革案(2)(1)   大相撲の力士・部屋の後援者(タニマチ)からの金品授受を100%透明なものとする。その為に、タニマチの実態を相撲界全体として過去に遡って公表し、それらのタニマチからの金品授与の逐一を全て公表する。その為には、化粧回しなどがタニマチから提供された際には、その制作にかかった費用を全て明らかにし、贈与税納税に備える。また、飲食接待を受けた際にも、領収書をキチンと受領し、納税に備える。 (2)   今後、後援者は、いわゆる昔ながらのタニマチに頼ることを原則中止し、個人の善意の小口の寄付による健全な後援者の制度を確立する。  現在はどうかわかりませんが、昔は有望な少年を相撲界に勧誘する時には、「土俵には金が埋っている」という言葉を使ったそうですが、現在の制度では、「土俵の内に金が埋っている」のではなく、「土俵の外に(タニマチのところに)金が埋っている」ように思われます。この、前近代的な体質から完全に脱却しない限り、大相撲の再生は無いと、リュウちゃんは考えます。 このシリーズ、まだまだ続けていく予定です。  

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