私の夢は大人になるまで生きることです
上記タイトルは、最近感動した本のタイトルです。http://tinyurl.com/zrthtボランティアに関する書籍や冊子はいろいろと読みましたが、これほど心に響く書籍は初めてでした。著者であるカメラマンの池間氏は、撮影や物資支援で、アジア各地を訪ねていましたたが、1993年フィリピンのゴミ捨て場で暮らす少女との出会いが、「生涯、子供たちの支援を続ける」との決断となりました。スモーキーマウンテンと呼ばれていた、ゴミ捨て場で暮らすこの少女は、ゴミの中からアルミ缶、プラスチック、ビニール袋などを拾い換金して、今日を生き延びていたのです。少女に「あなたの夢は何ですか?」と問いかけると、「私の夢は大人になるまで生きること」と笑顔で答えました。この本は、アジアの貧困国の現場に滞在し続ける池間氏の生の体験、生の声を読むことができます。私が感動したのは子ども達の親に対する愛です。一部をご紹介します。~~~~~~~~~~~~~食べ物がなくなり、一家は餓死するほど追いつめられました。父親は悩みに悩み、十歳のエルデネを都会に捨てることを決断しました。父親はエルデネを連れてウランバートルにやってきました。そして、国立デパートの前に連れて来て、彼の両手を握りしめ、涙を浮かべて一言いました。「お前を、ここに置いていく。草原にいては餓死するだけだ。 都会ならなんとか残飯を拾ってでも、物ごいをしてでも 生きていくことができるかもしれない。 寒かったらマンホールにもぐりなさい。 お前を置いていくほうが、生きていける可能性が高いのだよ」父親はそう言うと、息子を置いて背中を震わせながら去って行きました。エルデネは父親の言うとおり残飯を食べ、マンホールに暮らし、生き延びました。その当時の生活について聞いても、あまり口を開きません。死ぬほど大変な思いをしたのでしょう。彼は今、ウランバートルの保護施設に暮らしています。彼のえらいところは、将来の目標を定めているところです。大学の先生になりたいというのがエルデネの夢です。その目標に向かって必死になって勉強しています。夜になると荷物運びなどの仕事をして、進学のためのお金をためています。本当に頭が下がるすばらしい少年です。十歳のときに親に捨てられたことをエルデネはどう考えているのでしょう。彼は私に言いました。「お父さんが僕を捨ててくれたことに感謝しています。 家畜が凍死してしまい、食べる物もなくなった。 そのまま遊牧の暮らしをしていたら白分は死んでいたかもしれない。 だから、お父さんがウランバートルまでやってきて僕を 拾てたことに感謝しているのです」~~~~~~~~~~~~~ガントヤはまん丸顔に一重まぶたの細い目をした愛くるしい少女です。明るく素直で優しいガントヤの周りには、いつもたくさんの友達が集まっています。しかし、その明るさとは裏腹に、ガントヤのこれまでの境遇は私たちが想像もできないほど悲しいものでした。ガントヤは八歳のときに貧しさが原因で親に捨てられました。親は生きています。どこか遠くの街で暮らしている、とガントヤは聞いています。ガントヤにはマンホールの中で暮らしていた経験もあります。右耳は上のほうにネズミにかじられた跡が残り、不白然に折れ曲がっています。マンホールでの暮らしに言葉では言えないほどの苦労があったことは聞くまでもないでしよう。ガントヤをひざに抱いて遊んでいるときに何気なく尋ねてみました。「ガントヤ、あなたは大きくなったら何になりたい? あなたの夢はなんですか?」すると少女は信じられないことを口にしました。「私の夢は早く大きくなって、お父さん、お母さんを 探し出して辛せにすることです」と、びっくりするぐらい真剣な表情で言ったのです。~~~~~~~~~~~~~こんな内容がたくさん紹介されています。辛く厳しい極限の状態だと思いますが、子ども達は愛に溢れています。それは・・・ 受ける愛ではなく 与える愛です。涙が何度も溢れました。現在、この事を自分の子どもたちにどのように伝えていくか考えています。軽々しくは伝えたくないのです。