映画「山河ノスタルジア」(ジャ・ジャンクー監督)を観る(ネタバレあり)
●中国映画界を代表する監督ジャ・ジャンクー。新作を見逃す訳にはいかず。夕方、映画館に足を運ぶ。<期間限定!クロネコDM便送料無料実施中!>■予約■SALE OFF!新品北米版DVD!【山河ノスタルジア】Mountains May Depart!<ジャ・ジャンクー監督作品>●観客は10名前後。土曜の夕方、映画を観るには悪い時間帯ではないのだが・・・。●主演:チャオ・タオ(「長江哀歌」「罪の手ざわり」など、ジャ監督の作品には欠かせない女優。今回も、いい演技をしておりました)。●感想:ジャ・ジャンクー監督作品にしては、”暗さ”を押さえた作品。後半の、2025年の未来時間を設定しての場面設定は如何なものか?現代中国に生きる中国人の苦悩を描く作風がジャ監督の持ち味。近未来の舞台設定では、ノンフィクションのような味わいがある作風を活かしきれないのではないか?●前半の三角関係にある人間関係を追究していくか、と思いきや、後半は、母と息子の関係にフォーカスが移ってしまった。中国大陸を逃れて、オーストラリアに移住した中国人の根無し草のような生き方は、なにか、痛々しいものがありますなあ・・・。●ラストシーンのダンスも、今までのジャ監督作品には似かわしくないような・・・。地を這いつくばって生きる中国人の生き様から、中国社会で成功した人々の苦悩を描いた作品に、方向転換したような作品であるが、現代中国人を撮るというジャ監督の姿勢には変化はないという事か?●そうであっても、やはり、ジャ監督には、現代中国を舞台にして、政治的・社会的な矛盾に翻弄されながらも、懸命に生き抜く中国人を描いた濃密な作品を期待したいものだ。