トリチウム、日本語では三重水素という物質で水素の同位体。同位体というと難しく感じるが、自然界にも普通に存在する物質。核融合研究所(https://www.nifs.ac.jp/j_plan/j_004_002.html)によれば、「トリチウムは宇宙線により上空で生成され、自然環境中にも、水1リットルあたり1ベクレル程度存在しているため、人体にも50ベクレル程度存在しています。」とのことですし、半減期は13年程度、気体として吸入しても体内に取り込まれることはほとんどありません。水や有機物の形状では体内に取り込まれますが、特定の組織に蓄積することはなく、水の形では10日、有機物の場合では40日で体外へ排出されて半減していきます。また、内部被ばくの程度も、ヨウ素131やセシウム137に比べて約500分の1と小さなものですし、トリチウムだから体内に取り込まれ易いということもありません。ですから、そもそも大して問題のある物質ではないわけです。
震災から10年を経て福島原子力発電所の敷地内には、原子炉の冷却水や原子炉建屋地下を流れる地下水を格納したタンクで溢れかてえている。このまま、永久に冷却水を地上に保管し続けることは現実的に無理でしょうし、放射性物質を安全に取り除く技術が確立することが肝要、ALPSなどの放射性物質を取り除く処理施設が正常に稼働することを前提条件とすれば、通常稼働している原子力発電所の冷却水は海洋放出しているわけで、何も変わらないと思うのですが。