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カテゴリ:南の島の王子様
突然ですが、書き溜めた童話を連載することにしました。
挿絵を募集します。イメージできたらご応募ください。 南の島の王子様 これは、ある南の海に浮かぶ島のお話です。 その島は、大昔にさんご礁が海を包み込むようにして出来た、 ちょうどはてなマークの形をした島です。 小さな島でしたが、何百年も前から、 王様の家族とその王様を尊敬する島の人たちによって守られ、 トト王国と呼ばれてきました。 王様に子供が出来ると、男の子の場合は王子様に、 女の子の場合は王女様になり、島の人たちから厳しく、 そしてあたたかく見守られて、 やがては、思いやりのある立派な王様に、 女王様になるのでした。 この島の隣の国は、とても大きな国でしたが、 国をまとめるたびに戦争が起こり、 支配する人もそのたびに変わっていました。 支配する人が変わっても、 変わらないことがひとつだけありました。 それは、いつもこの小さな宝石のようなトト島の王国を うらやましく思っていることでした。 その時代の支配者は、誰もがいつかは トト王国を自分のものにしたいと考えていたのでした。 トト王国の島人たちの生活はとても穏やかでした。 島の土地からとれる南国の野菜とフルーツを食べ、 島の周りの海で獲れる魚や貝を主食として、 日が昇れば働き、日が沈むと休み、 家族や仲間と楽しく過ごすといった毎日でした。 島には、争いごともなければ、 病気もありませんでした。 人々は笑いながら暮らし、静かに年老いて、 やがて枯れるように、その一生を終えていきました。 何もかもが自然のまま、 島の誰もがそれを受け入れていました。 続く お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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