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動物医です。童話と絵を描いています。

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2008年01月02日
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カテゴリ:南の島の王子様
南の島の王子様
 これは、ある南の海に浮かぶ島のお話です。
その島は、大昔にさんご礁が海を包み込むようにして出来た、ちょうどはてなマークの形をした島です。小さな島でしたが、何百年も前から、王様の家族とその王様を尊敬する島の人たちによって守られ、トト王国と呼ばれてきました。
王様に子供が出来ると、男の子の場合は王子様に、女の子の場合は王女様になり、島の人たちから厳しく、そしてあたたかく見守られて、やがては、思いやりのある立派な王様に、女王様になるのでした。
この島の隣の国は、とても大きな国でしたが、国をまとめるたびに戦争が起こり、支配する人もそのたびに変わっていました。支配する人が変わっても、変わらないことがひとつだけありました。それは、いつもこの小さな宝石のようなトト島の王国をうらやましく思っていることでした。その時代の支配者は、誰もがいつかはトト王国を自分のものにしたいと考えていたのでした。
トト王国の島人たちの生活はとても穏やかでした。島の土地からとれる南国の野菜とフルーツを食べ、島の周りの海で獲れる魚や貝を主食として、日が昇れば働き、日が沈むと休み、家族や仲間と楽しく過ごすといった毎日でした。
島には、争いごともなければ、病気もありませんでした。人々は笑いながら暮らし、静かに年老いて、やがて枯れるように、その一生を終えていきました。何もかもが自然のまま、島の誰もがそれを受け入れていました。
隣の大きな国の支配者が、海を越えて攻めてこようとすると、不思議と海が荒れて、大きな国の船は耐えられずに、沈んでしまうか、大きな国の港に引き返すしかありませんでした。小さなトト王国でしたが、島の人たちは海の神様と王様か女王様の力でいつも守られていると信じて、安心して暮らしていました。
カカはその島の王様の子供として、十八年前に生まれた男の子です。島の子供たちと、海に潜って、魚と遊び、島の漁師さんから魚の獲り方を教えられ、島のおかみさんからは、礼儀と思いやりを教えられ、今は立派な若者になっていました。カカはそれ以外にも、王様から自分の家族が先祖代々、どうやって自然と島の人たちを愛し続けてきたかを、島に伝わる昔話を聞かせてもらって育ってきました。
カカは日が昇るのを見るのと、日が沈むのを見るのが大好きでした。朝は大きな海の向こう側から照り輝く太陽がゆらゆらと昇ってくるのを見つめ、夕方になると大きな海の向こう側に真っ赤に染まった太陽が、ゆらゆらと沈んでいくのを眺めていました。争いごとを知らないで育ったカカはいつまでもこの光景が変わらないでいることを、信じていました。
隣の大きな国の支配者がまた新しくなりました。新しい支配者はとてもずるがしこく、欲張りな人でした。トト王国を自分の手に入れたいという思いは、今までのどの支配者よりも強いようでした。
「何とかしてあの宝石のような島を自分の思うようにしたいものだ。」
と、いつもまわりの人に言っていました。
美しい島を自分のものにするために、隣の大きな国の支配者は、いろいろと作戦を練りました。昔の失敗を繰り返すことなく、トト王国を思いのままにするためにどうしたら良いのか?昼も夜も考えました。
支配者は、いろいろなものを贈り物にしてトト王国に届けさせました。自動車、発電機、洗濯機、テレビ、コンピューター・・・船にいっぱい積まれて運び込まれました。
 今まで島にはなかった、とても珍しく便利なものを贈られたトト王国の人たちは、最初のうちはとても喜んでいました。たくさんのプレゼントをしてくれる大きな国の支配者にも感謝して、「もう攻めてくる気持ちはないのだ」と、安心して新しい物のある生活を楽しむようになりました。
 何ヵ月か経つと、島の人たちの生活が変わって来ました。それまでは、皆で泉に集まって洗濯をしていた島のおかみさんたちは、それぞれの家でテレビを見てすごすようになりました。太陽が昇ると、いっせいに舟をこいで海に魚採りに出ていた漁師たちは、一人、二人と朝寝坊をするようになり、家でインターネットを楽しむようになりました。生活が便利になった一方で、皆が楽しく働かなくなってしまったのです。それを知った欲張りな支配者は、心の中で「しめしめ」と思いました。そして次の作戦を考えました。
 そんな中、カカにも、島の誰にも悲しい出来事が起こりました。カカのお父さん、そう島の王様が、突然亡くなってしまったのです。
島人たちは、皆悲しみ、王様の骨を海に流してお葬式をしました。
 カカは悲しんでばかりはいられません。新しい島の王様として、これからは島を守っていかなくてはならないのです。海に沈む夕陽を見つめながら、これから自分のすべきことをかみしめることにしました。
 カカは世界のことを知るために、インターネットを見て勉強をしました。世界は広く、自分たちのトト王国がどんなに小さいかも、知りました。世界をもっと知らなくては、島とその人々を守れないと思いました。
カカは大臣たちと相談して、世界中の国が集まる会議に出席することにしました。初めて会議に出席し、自分たちの国のことを紹介するために高い台の上に立ったカカは堂々としていました。世界中のたくさんの国の代表を前にカカは一生懸命、トト王国の話をしました。海に向かっていつも話しかけているように。けれども島の言葉は、世界の人には通じません。通訳をしてくれる人もいません。最初は誰もがきょとんとしていました。カカが熱く話し終わると、会場にいたすべての人が立ち上がって拍手をしてくれました。カカの紹介のおかげでトト王国は世界から初めて、一つの国として認められたのでした。これで大きな国が勝手に攻めてくることもできなくなりました。
 カカの演説のあと、カカと南の小さな島国は世界中で話題になりました。カカは世界でも有名人になってしまいました。それでもカカは自分の言葉が世界の人に正しく伝わっているのか、いないのかが心配でなりません。世界の会議で伝わる言葉を話せるようになろうと思い、インター・ネットで英語を勉強することにしました。
 カカの演説の後、隣の大きな国の支配者から、贈り物に続いて、お金を貸しましょうと、申し出がありました。お金があれば、島をもっと豊かにできるというのです。カカはそれを断りました。お金があっても島の人たちが
働かなくなってはしょうがないからです。
 せっかくの申し出を断られた隣の国の支配者はとても悔しがりました。お金をたくさん貸して、約束どおりに返せなかった時にトト王国を自分のものにしてしまおうと思っていたからです。
 カカは英語を勉強しながら、世界の会議に何度も出席しました。そしていろいろなことを知りました。
 世界のあちこちで、戦争が起こってたくさんの人が死んでいること。世界中の人がエネルギーをたくさん使って、火を燃やしたり、空気をたくさん使ったりすることで地球が温められて海の水の量が増えていること。どれもが小さな島のトト王国にとっても、島の誰にとっても大変な問題でした。
 





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最終更新日  2008年01月02日 08時39分43秒
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