938252 ランダム
 ホーム | 日記 | プロフィール 【フォローする】 【ログイン】

気まぐれぺルドン

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

PR

プロフィール

フロホ

フロホ

カレンダー

バックナンバー

2024.06
2024.05
2024.04
2024.03
2024.02

カテゴリ

日記/記事の投稿

コメント新着

フロホ@ 気紛れペルドン めぐみさんへ ありがとうよ。ある山岳作…
めぐみ@ Re[19]:気紛れペルドン(02/22) 私お祓いできないから。。。 オススメの…
めぐみ@ Re[18]:気紛れペルドン(02/22) ギャルの霊媒師。飯塚さん!ガチの人だっ…
フロホ@ Re[17]:気紛れペルドン(02/22) めぐみさんへ 女神様とは思えない。只の…
フロホ@ Re[16]:気紛れペルドン(02/22) めぐみさん 焼肉は良いね、ただこちらに…

キーワードサーチ

▼キーワード検索

2024.05.08
XML
カテゴリ:カテゴリ未分類
もう一週間前になるのか、或いはそれより数日先になるのか、はっきりしないが、眠られぬ真夜中、お袋の古い赤色の自転車にまたがり、サイクリングしていた時の話になる。

市民病院前の大通りをノンビリ漕いでいた時、街路灯が無い処と時々出っくわす。それだけなら大したことは起こらないが、暗闇の歩道は凹凸がはげしい。そこに乗り入れてしまうと、ハンドルを掬われる。掬われて派手に車道迄転がり、夜空を暫し眺める羽目に陥る。その時も派手に転んだわけだから、暫くは起き上がれない。真夜中の大通りだし車道の真ん中で、さぁ殺せと転がっているわけではないので、体が言う事を聞く迄、身動きせずに、死んだ鯖のように転がっていた。


とすると車が止まり、静かに小太りの女性が下りて来て、「大丈夫ですか」と声を掛けてくれる。
「大丈夫です」
と威勢よく答えたが、体がうごいてくれない。彼女は事態を察して、車道に転がっている自転車を片手で歩道に置き直した。女性の割に力があると感心した。次は僕の番で片腕を引っ張れて、立ち上がらせられる。

彼女は医者の様に用心深く観察していたが、こちらは虚勢を張ることに為る・但し声だけだが。醜態を女性に晒した事で、一秒でも早く現場から離れたい一心で、必要以上に礼を述べ女性から自転車をうけとり、礼を重ね述べ乍ら逃げる様に自転車に跨り、裏道に入った

ここまでは第二幕として悪くはない。傍はどうであれ、それなりに胡麻化した訳だ。裏道はかなり広く鉄路沿いに一直線だ。鉄路は堤防の様に斜めになり、角度を共ッている。道路との間には小川が流れ、通行人や子供が落ちない様に、白塗りのガードが走っている。自動車も来ない安全な路だから、当然良識として左側を走らせる。さあ、そこからが問題なのだ。

怪が付きまとうのだ。
次の瞬間僕は自転車ごとに小川に落下していく。茂った雑草の中に落ちるのだ。落下する時間も感じ取れる。自転車が着地して、ハンドルに額を酷くぶっつける。幸い眼鏡をかけていたから、防御にはなる。なるが目の前に紅い閃光が走り、ハンドルに額突きをした。

家で確かめたら、額に眼鏡痕が残り、皮が派手にむくれていた。僕は前のめりに草むらに投げ出され、夢中で起き上がり、小川のコンクリート壁に暫くもたれていた。草むらで受け止められたので、道路に投げ出された程、強い衝撃を味わう羽目にはならなかった。暫く小川の壁にもたれている内に、事態は小川からはい出さねばならない事を、冷静に感じる。自転車を探すと反対側にある鉄路の傾斜壁に、逆さにぶら下がっている。引きずり降ろして、道路に揚げて、僕も這い上がり、ゆっくりと自転車を走らせ、直ぐ近くの住まい迄戻った。部屋は3階だから、這うように登って、玄関に転がり込んだ。

二人の息子が驚愕の貌で迎えてくれた。事はそれ程酷かったのだろう。埃塗れの服を脱ぎ、生身の体を点検してみると、かなりの深手と呼べた。裸になり丁寧に調べる。右ひじの擦り傷が酷い。こんな場合は水道水で丁寧に流し洗いする様に、医者から言われていたから、その処分はする。右腿の打ち身はかなりのものだ。いずれにせよ風呂場で全身を流し、バヂャマに着替える。擦り傷は擦り傷用の張り薬をはり、打ち身は病院で手に入れた塗り薬で手当てをして、ベットに潜り込んだ。流石にもう真夜中のサイクリングは中止しようと反省した。直ぐに眠気に詰まれて朝まで意識不明。

以来寝たり起きたりの半病人の様な生活が続いた。やがて擦り傷も完治し、酷い打ち身も鎮痛消炎剤のお陰で消えた。外出したい気分になって、事故現場で行方不明の眼鏡の探索をしてみるか、という気分になった。息子達が探してくれたが見つからなかった。矢張り事故当事者が解決に乗りださないと、無理かとも思った。お気に入りの眼鏡だったので、人知れず事故現場で消えて行くのも不憫だと考えた。

それでお袋の形見の銀頭のステッキを突きながら、現場に降臨したわけだ。場所は近所だし、現場で簡単に置き忘れた眼鏡と、再会できると安易に考えて居た。で現場に到着するすると、当事者が困惑する状況とぶつかってしまった。論理的に書くと、小川には事故防止の為、ガードルが設置されているのだ。要するに僕は小川に落ちこむ前に、ガードルの問題を片付けなければならないのだ。ガードルの継ぎ目から小川に入り込んだと、安易に考えて居たが、ガードルには継ぎ目、隙間が全くないのだ。小川に落ちこむ前に、僕はガードルをジャンプしなくてはならない。

透明人間の様にガードルを突き抜けたか、自転車ごとにガードルを飛び越え、突破して小川に落ちなければならない。これは難問だった。難問は次から次に湧き出て来た。小川には綺麗な水が流れている。僕が小川に落ちたという事は、小川に入らなければならない。自転車が着地したショックで僕はつんのめって、小川に転げたのだから、少なくとも上半身は水濡れになって居なければならない。ところが僕は靴下でさえぬれていないのだ。靴も濡れていない。転んだズボンも濡れていないのだ。そして線路の堤防に逆さに張り付いていた僕の自転車位置関係も、力学的にあり得ないのだ。

小川の幅は1メートル半はある。僕を振り落とすと、その距離を後ろに飛び、自転車は反省する為に、逆さに反対側の堤防に張り付いていたとは、到底論理的に考えられなかった。現に僕は堤防から逆さになった自転車を引きずり降ろし、道路に引き上げているのだから、一滴も濡れていないというのは、現実を無視している。それに僕はあの夜、自転車をカードル越しに路に引き上げた記憶は全くないのだ。理性的に考えると頭痛がして来た。飛んでもない難問題を、突きつけられた苦学生の気分に陥ってしまった。小川の水は清楚に流れ続け、幾ら考えても解答のヒントを与えてくれない・・・

あの程度の怪我で収まったのだから、本職に近い溜息嬢にお経を詠んでもらうかの、心境に到達した。
自分では「ぎゃてぎゃてーはらぎゃーてほ゛うじそわか 般若心径」
程度より読めない。
どんなに考えても摩訶不思議の世界に入ったらしい。
もしくは常世の世界に入りかけ、弾き飛ばされたのかも知れない。守ってくれたのは亡き母親か、生きている女神お晴の君か・・・





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2024.05.14 20:13:29
コメント(0) | コメントを書く



© Rakuten Group, Inc.