リスカと多重人格。
私の腕は傷だらけ。理由はただ一つ。リスカをするから。リスカをすれば、心がスカッとする。嫌な事を忘れる。リスカしてる間、何も考えない。自分が好きなことも、忘れてる。むしろ、人間なんて、頭の中に入ってこない。入ってくるのは、闇。自分が、闇の中で誰かと戦ってる。気づくと、手首が血だらけ。・・・・そう。私は、多重人格障害者である。5人も入ってる。一番出てほしくないのは、『一馬』という男と、『繭』という少女。こいつは、凶暴。そして、彼女は人見知りが激しく、心がいつもやみに閉ざされている。私は、『繭』が出てきたときには、苦労する。気づいたら、手首が血だらけだから。思えば、本当の自分がどいつか分からない。ずっと、自分を探してた。けど、見つからなかった。・・・・今は、もうそんなの関係ない。自分が誰か分からなくてもいい。むしろ、それであってほしい。自分がわからないまま、死ぬまで暮らしたい。そのほうが、どんなに楽か。『安楽死』。いいかもね。でも、今は生きることを選ぶ。この世に生まれてきた以上、やりたい事をやってから逝きたい。その日が来るまで…。当分、ここにいるつもり。死ぬまで生きる。It lives until dying.