2008/02/24(日)22:56
ドストエフスキー 「未成年」上巻
上・中・下巻とある岩波書店のこの文庫。上巻・下巻は400ページちょっと、中巻は300ページちょっと。とにかく、「カラマーゾフの兄弟」への助走として読み始めたのですが、本日上巻(第一編)を読み終えました。上巻の中盤くらいで、反省したのは、自分なりに登場人物の相関関係を作図しておけばよかった!!!!!!これにつきます。何といっても、ロシア名って、本名から(日本人からしたらちょっと想像を超える域?)の愛称がありまして、途中で誰のことを言っているのか、分からなくなったりして、何度も何度もページをめくって、相関関係から相性の人物を割り出す作業を繰り返しています。大体、間抜けですが、「わたし」(主人公)の名前が当初全く分からなかった!!「わたし」と書いてあるわけで、誰かが、「わたし」を「アルカージイ」と呼んでいて、その読んでいる誰かと「アルカージイ」の関係から、あ!主人公=アルカージイなんだ!とやっとわかったりする。ドストエフスキー先生が、「ぼけぼけ読んでちゃだめだよ~~ん。しっかり把握しといてね~そこんとこぉ~~。」と何かお空の上で笑っているような気もします。 人間関係は複雑で、入り乱れ、まあ、主人公の生い立ちというか家族そのものが謎で、まあ、そんな環境に置かれたら、偏屈になるのも仕方ないかな?と「青さ」(?)を感じる。人間でいえば立派な成年ですが、精神的に未成年なのかな?その青さが、今後何かを引き起こしてしまうのかもしれません。というか、戸籍上ではない事実上の父親(主人公は私生児)を、多分心で求めているのに、拒絶している、愛したいのに、憎んでいる?複雑です。人間生まれたときは、全く無垢なわけですから、ここまで屈折した関係に陥っているのは、だれに責任があるわけでしょうか? 冒頭から名前だけまず登場のタチヤーナ叔母さんは、実際に人間が登場すると、鼻息荒くて、まあ血の気が多いと言いますか、この人もしかして全巻通してご健在ぶりを発揮してくれる予感です。映像として全体にペール・グレイな感じ。ペテルブルグの街を描いている場面とかは、以前バレエの「キーロフ・バレエ(現マリインスキー・バレエ)」のドキュメンタリーで朝のペテルブルグの景色があったのですが、あんな感じかな?とかイメージしています。上巻読み終えて、駒はこれでそろったのか?という、まあ、刑事になった気分です。(というかこれ以上登場人物増えたらマジで相関図いるかもという危惧)誰もがなんか核心を隠している感じで、謎解きはこらからなんだよ~~~ん、とこれまた ドストエフスキー先生がにやっとしている。感じ? 事実上の父親は、本当に女好きなのであろうか?ブルータスお前もか?みたいな何度もがっくしされるのだろうか???アルカージイ(TT)ちなみにアルカージイは、生まれてから2回ほどしかあったことのない実の母に、アルカーシェンカと愛称で呼ばれていた。ロシア人の愛称を知らなかったら、アルカージイ=アルカーシェンカって気がつかない人いるんじゃないの???とか思ったり。 いよいよ、第二編に突入です。鈍行列車が、少しずつ急行列車に速度を変更していくのでしょうか??(「罪と罰」もそんな感じだったな~~~。)とういうか、謎を早く解きたいわ!!!!