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日常のニュースからひも解く自らの視点

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村松克哉

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2024年11月
2006年06月25日
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カテゴリ:スポーツ
サッカー日本代表、ブラジルに1-4とあえなく撃沈。ジーコが4年かけて熟成させた日本代表のワールドカップは幕を閉じた。主力選手のほとんどが30歳前という年齢を考えると、今後の4年間は新たな世代交代と、決勝トーナメントに勝ち進めるチーム力の二つの課題が大きくのしかかってくるだろう。脱力感に襲われるが、日本のサッカーは今後も続いていく。この敗戦を糧に前を向いて進んでゆかなければならない。次期監督も気になるところだが、日本代表の課題を整理すると
1.試合運び
点をとられた後、点をとった後の試合運びの経験が足りない。どちらも拙い。やはり南米や欧州の強国には一枚も二枚も差がある。これは強い相手と試合を重ねる経験を積んでゆかなければならない。試合巧者になるために乗り越えないといけない壁である。
2.攻撃力
点を取れるところで取らなければ、勝てない。強国相手であれば、そのチャンスはどんどん少なくなる。点を取る精度を高めなければならない。FWだけでなくMFやDFの選手にも攻撃チャンスにおけるシュートの精度を上げることが今後の日本の課題だ。パス回しだけ立派でも、1チャンスに確実に点を取る力が重要。ペナルティエリアの外からでも点が取れるシュート力をあげなければならない。
3.守備力
やはり、アングロサクソンは体がでかい。これに対応する守備力をもっと上げなければならない。マークする相手を意識し、前を向かせない、フリーでヘディングさせないなどしつこく、マンマークのディフェンスをする癖をつけなければならない。最高の防御は攻撃であることを考えれば、相手のボールをカットして、攻撃につなげる力をあげなかればならない。引き気味のDFラインが今回、非常に目立った。これは精神的に受けに回りやすいという弱点を示している。ラインをもっと上げて守備をする、マンマークディフェンスの癖をつけてゆかなければならない。

試合のなかでチャンスは必ず回ってくる。そのチャンスを確実にものにする力をつけてゆかなければならない。厳しい競争の中でチャンスをいかに確実にものにするかは個人の力だ。その意味で指導者、監督、コーチはよく選手をみて育てて行ってほしい。

強国といわれるチームは1次リーグでは半分ぐらいの力しか出さない。決勝トーナメントからがワールドカップ本番だと思っている。ブラジルに日本が負けたといっても50%くらいの本気度(すでに決勝トーナメント進出決定していたし、主力選手のうちカフーやロベカルなどベテラン選手は温存していた)のブラジルに大差で負けたのだから力の差は得失点の数字以上にある。優勝を狙うチームは準決勝あたりがコンディションのピークに持っていくのが、いつものワールドカップでの戦い方だ。優勝以外は失敗という使命を背負っているチームはそれまでの敗退はとりこぼしにしか過ぎない。1次リーグは2軍選手でも突破できる力を持っているのが優勝を狙う国のチーム力だ。日本とブラジルの間にそびえたつ壁はサッカー人口の量と質、たかがサッカーに賭ける気迫(魂)、支える国民の力、選手を育てるシステム、すべての面で日本は及ばないということを思い知らされた。日本はまだ、一次リーグ突破できるほどの力がない。前回大会はあまりにもグループのくじ運がよすぎた。フランス大会、そして今回のドイツ大会のような1次リーグのグループ組み合わせのなかで突破できる力をつけなければ世界との差は開いたままだ。アジアのなかで王者を維持するのも大変だが、そのアジアと欧州、南米、アフリカとの差も大きいのも事実だ。やはり、個として世界のなかでもまれる選手が多く出なければ駄目だ。Jリーグのレベルは低い。外人監督、外人コーチが日本のJリーグのレベルを引き上げることに貢献はしてきたが、やはり世界のトップリーグとの力の差はまだずいぶんある。野球同様、日本の国内リーグは世界で見ればB級である。サッカーはJリーグの優勝クラブはアジアのなかでさえ、クラブチャンピオンになれないのが実態だし、野球も韓国との差は紙一重で非常に危うい。世界のA級の選手が集うスペインやイタリア、イングランドのクラブチーム同士の戦いのなかでもまれなければワールドカップでは通用しない。日本の中だけでどうにかしようというのは浅はかである。特にDF選手が世界のトップリーグにもまれる必要がある。競争の中で数少ないゴールチャンスをものにできる精度の高いFWも必要だ。Jリーグの外国人枠を撤廃して世界から優秀な選手をいっぱい集めてきて、日本人選手をそのなかで育てることも考えなければならない。10代の次代を担う若者を世界のトップチームに送り込んで修行を積ませる、そのようなシステムが必要である。世界のトップレベルの激しい競争の中で強い個は生まれる。個々のレベルをあげて、その上で組織的なサッカーのレベルをあげてチームとしての完成度、強国と戦うしたたかな強さをもたせなければならない。内にこもる日本の悪い性格を直し、脱皮しなければならない。日本社会の特質でもあるが、日本という狭い世界のなかで競っても世界には通用しない。フラットな世界で勝つには、個人が世界に出て行って、もまれて強くなるしかない。サッカー関係者のみならず、国民全体で考えなければならない問題だ。1次リーグ敗戦の分析を尽くした上で今後どうするか議論すべき重要な問題である。川淵会長の口から次期監督候補の名前が早々に挙がっているが、このワールドカップでなぜ日本は1次リーグで敗退したのか、オーストラリア戦の最後の10分間で何が起こったのか、原因と対策をよく分析したうえで、すぐにやってくる4年後のワールドカップに備えることをここで時間をかけてでもよく考えた上で行動しなければおそらく次回ワールドカップのアジアの出場枠は減らされるだろうから、日本は次回はワールドカップ出場さえ困難な状況に陥るだろう。
オシムでは過酷なアジア予選をとおして4年後のワールドカップは無理だ。同氏の力量は千葉を強くしたことからも明らかだが、年齢が65歳では4年後69歳までの特に過酷なアジアでの戦いは体力的に無理がある。Jリーグの指導者で裏方に徹し、才能のある選手の発掘に努めてもらったほうがいい。この4年間は恐ろしいほど短く感じるだろう。勝つことと選手を育てることの両方を求められるのだから次期監督は大変だ。私はトルシエ再登板を期待する。不可解な采配が2002年のワールドカップ決勝トーナメントのトルコ戦であったが、同氏の選手育成(黄金世代をワールドユース準優勝まで導いた)、ワールドカップの決勝トーナメント進出までノルマを達成した力量を高く評価したい。年齢的にまだまだやれるし、油ののった年齢でもある。経験を生かして必ず日本代表を次のレベルに押し上げてくれると確信する。サッカー協会幹部は先の敗戦の分析をよくしたうえで議論を重ね、次期監督を選んでほしい。私はトルシエを実績からみても推したい。






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最終更新日  2006年06月30日 21時00分26秒
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