カテゴリ:すべては有権者の責任
高速道路が分断状態だからこれを全部つないだり、土建屋に公共工事を発注するのが景気対策という麻生氏の考えは間違いだ。製造業こそ助けないと、景気対策はありえない。もう少し、真剣に日本の製造業のことを考え、ものづくり戦略を考え、これにお金を流すようにしないと、日本は世界の中で生きてゆけない。地方を活性化させたいというなら、土建業は道路やハコモノを作り終えたらそれで仕舞いだが、製造業の場合には永続的にものを作り続けるし、地方の人を安定して多く雇用する。地方への景気対策とは、「国内に量産工場があって、日本人がそこで働いて、日本の装置を使って、日本の材料を使って、出荷した製品がよく売れる」という状態をつくることをいう。技術の高さが世界一でも、韓国や台湾の経営者は日本の経営者よりずっと優秀であり、人・モノ・金を集中的につぎ込み、日本の技術者、装置、材料を使って、ノウハウをあっという間に吸収している。これで鉄鋼、半導体、液晶などすべて日本はやられてしまった。最低経営者の団体である経団連が政党の格付けを行い、自民党に最高ランクAを10個もつけ、民主党にはゼロという結果を公表した。日本が世界の二流国に落ちたのは、大企業をはじめとする経営者の劣化が原因である。どの経営者も選択と集中ができず、結果責任を恐れ、右に倣えできたために、どの企業も同じようなことしかできず、韓国や台湾の企業にあっという間に負けてしまった。日本の電機メーカーすべてを束ねても、韓国のサムスンの利益にはかなわない。すでに再編で1社に集約しても韓国のサムスンには勝てない。液晶も同じである。シャープは世界で5番目で、韓国や台湾の企業より下である。鉄鋼もそうだったが、近い将来には自動車もそうなるだろう。すでに経済成長の見込まれる新興国では日本企業より韓国企業が選ばれている。景気を悪くしたのは、米国のサブプライムや原油高が問題ではない。日本の経営者が劣化しているからである。おまけに政治家は経済音痴である。ばらまきで土建屋にお金を配っても景気対策にはならないことをわかっていながら、借金に借金を重ね、景気対策にならないばらまき、無駄遣いを続けて子孫にツケを負わせて苦しめている。官僚も大東亜戦争に持ち込んだ反省も責任もないまま、暴走を続けて、愚かな国民と見下げているだけだ。政財官に問題は、山積しており、何も改善されていない。本当の景気対策とは日本が世界のなかで生きられる産業を一刻も早く立ち上げることである。それには、日本企業の経営者のように選択と集中もできず、小額投資でたくさんのプロジェクトにお金をばら撒いている官僚主導政治を打破しなければ、ますます貧しくなっていくだけだろう。その点を有権者は理解しなければならない。リーダーそのものを変えないと改革は、連呼だけで終わるだろう。米国は、ブッシュのような古い共和党政権からビル・クリントンやアル・ゴアを中心の民主党政権への転換し、ITという新しい産業を立ち上げ、そのなかからビル・ゲイツやマイケル・デルのような新しいリーダーを生み出した。日本も同じ岐路に立たされている。政権交代をしなければ、改革は生まれない。古い経営者の団体である経団連や古い政治の自民党を支持し続ければ、どうなるか、これがわからなければ、このまま、ずるずると日本は世界の貧国まで落ちるのは時間の問題だ。劣化した経営者と政治家、官僚を変えないかぎり、本当の改革はうまれない。麻生氏や自民党のいうような採算が絶対に取れないような高速道路をつくって子孫を苦しめるくらいなら、景気対策の金を製造業に回していかないと、日本はもはや危ない。経産省が有機ELのプロジェクトにたかだか年間数十億円くらいの予算を投じていては、サムスンやノキア、台湾企業の資金調達力に日本企業はなすすべもないだろう。日本企業経営者の劣化も問題であるが、かつて半導体の国家プロジェクトに年間数百億円を投資していたようにディスプレイに対しても同じような規模の投資が必要である。でなければ近い将来、日本の製造業は全滅し、韓国や中国の企業に電気製品や自動車の供給をゆだねることになるだろう。自民党は増税やむなしのマスコミ操作をしているが、これにだまされるな。麻生自民党は、バラマキ補正予算を国会に通してから解散総選挙にもちこむ戦略だが、このような最悪総裁と自民党の政治を最短命にしないと日本は終わり、手遅れである。
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最終更新日
2008年10月12日 10時26分22秒
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