フランクは終わった。音程はひどいし、弾きこみがされていないのであまりよくはなかったけれど、でもやはり自分が以前とは少し変わったことが確認できてうれしかった。幸せな時間もあった。それからほかにもあったけれどそれはあまりよいことではない。私の対応が悪いのだと思うけれど、やはりこういう局面で積極的になれない。それは私の成長が足りないのか。自分を変えなくてはいけないのか、いまのままでよいのかわからない。音楽自体にその性格があるのか、音楽をめぐる何かが私は好きになれない。それが本質的なことなのか、無視できるものなのかがわからない。でもいつもそれが出てくるわけではないので、甘えかもしれないがそれがないところを選んで無視してしばらく過ごしてよいと思っている。今のところ私はそれを本質的なこととみなしていない。とにかく疲れた。今日はその疲れをとるため、のんびりしていたけれど夜になって今度の土曜日のシューベルトの5重奏の重さにまた焦りを感じている。
先週のレッスンでは松脂をいろいろ試したりして教えていただいた。弓の張り方などいろいろ実験して自分の手との組み合わせでベストを探しておくこと。できるできないの話ではなくて、そうやってすこしずつ作っていくという営みの話で、それがレッスンのときにいつも心地よい。私もやってみたいという気持ちにさせていただいてとても先生には感謝している。
音楽にかぎらない話だと思うけれど、仕上がっている(できている)状態というのはないわけで、できているかどうかはそんなに人生のなかでは重要ではなく、仕上げようとする行為をどう進めていくか、どういうビジョンを持って今自分が試みていることを維持・発展させていくかということが問題で、それを工夫したり、人のやり方を参考にしたりするのが心地よい話だと思う。別にできていなくてもいいと言っているのではなく、ある意味ではできた先にもまだあるということ。どんなレベルの人もそうで、だからそういう意識のある人とだとどんなレベルの人とでもうまく交流ができるような気がする。
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