九州トップの特A継続米【No.25 佐賀県産 さがほのか 無洗米 感想】
九州で一番評価の高いお米前回の記事において、佐賀県には穀物検定協会の特Aランクを13年連続で継続している「さがびより」という品種があることをお知らせしました。これがどれほどすごい事かといいますと・そもそも令和4年度の特Aを取った九州米は、元気つくし(福岡)、さがびより(佐賀)、にこまる(長崎)、ひとめぼれ(大分)、つや姫(大分)の5品種しかない。・このうち、連続して特Aを取っているのは、元気つくしとさがほのかに限られる。・元気つくしは3年連続の受賞だが、さがびよりは13年連続。全国に目を向けた場合でも、珍しい健闘ぶりの品種になります。今回のふるさと納税返礼品では、佐賀米2種類のセットでしたが、実力を試してみたいという意味ではこちらはより楽しみな銘柄でした。さがびよりの特徴今回、やや説明が煩雑になるため、久しぶりに系譜図を作りました。(「夢しずく」など、他のお米にも今後少しずつ追加していきます。サボっていてごめんなさい)佐賀県農業研究センターで、2009年に生まれた品種です。親は、同じく佐賀県農業研究センターで開発された「天使の詩」と、「あいちのかおり」に縞枯葉病耐性といもち病耐性を付けた「あいちのかおりBSL」になります。ちなみに、天使の詩のもととなる西海201号もまた、「あいちのかおり」と「ひのひかり」の子であることを考えると、あいちのかおりの成分がかなり強い品種とも言えそうです。中生品種で、登熟期の高温耐性に優れているほか、倒伏耐性もあります。親の「天使の詩」は高温に弱いことから、県内の多くの地域で「さがびより」に置き換えが進んだようです。天使の詩自体、下の地図にある「神崎地区」のさらに一部でしか今では栽培されていないようなので、これはこれでそのうち買ってご紹介してみます。生産量(検査数量ベース)としては、佐賀県内で最も多く全体の38%を占めています。前回紹介した「夢しずく」と合わせると、佐賀県全体の米のうちおよそ73%となり、「主要2大品種のうち一つ」と言えるでしょう。もう一つ、この表を見て驚いたことですが、どの品種も随分二等米比率が高いんですね。九州のお米屋さんの通販を見ていると、どうも東日本(北信越や東北)とは二等米に関する考え方が違いそうです。出典:佐賀米ホームページ https://sagamai.jp/variety/sagabiyori.html一方で、上の「佐賀米ホームページ」を見ていると意外な事実がわかってしまいます。この品種は生産量はトップですが、実は「佐賀県全域で栽培されているわけではない」のです。そして、今回の返礼品の送付元である伊万里市のあるJA伊万里も、栽培範囲として外れています。お米の栽培できない町(例:北海道根室市)が、同一県内他の自治体の商品を共通返礼品にするのはとは違う話なので、ちょっと不思議な気分です。伊万里市には伊万里市で「たんぼの夢」というローカルな品種があるので、それもそのうち購入してご紹介する必要がありそうです。(しかし、上の表の一等米比率0.8%を見ると、いったいどんな品種なんだろうかと気になります)開封してみました「夢しずく」の会の再掲になります。2kgの袋2種類が真空パックの形で上下に入っていました。販売者は、夢しずくと同じくみやき町の「大塚米穀店」さんになります。精米はこんな感じです。今回、2kgの減りが激しく、撮影を忘れてしまいました。ごめんなさい。それでは、いただきます。特A米だからおいしいに違いないという先入観よりも、申し訳ないけど「佐賀にそんなおいしいお米あるの?」くらいの心構えで、バランス米の「夢しずく」をいただいた時と同じような気持ちで最初のひと口を戴きましたが、いやなんというか美味しいです。バランス米というよりは、コシヒカリ寄りという感想が近いのですが、甘みはしっかりしているし味の濃いおかずにもまったく負けない印象を受けました。食感も、粒よりはもちもちを感じます。komenuma嫁の感想は、「これは美味しいお米である。粒が大きく、味も十分濃い。よく出来た佐賀のお米で、他のお米と比べてどうのと、わざわざ言わなくていい」というものでした。米本体が持つ味の芯の強さですが、濃い味の料理にも十分合いました。今回もいろいろな料理と一緒に戴きましたが、一つだけ大失敗した料理があります。YouTubeで見たという、子どもの希望で作った、サーモンユッケです。某有名、超メジャーなお金持ちYouTuberの番組でやっていたもので、彼自身がコストコのサーモンの使い方として勧めていたのですが、作ってみると自己主張があり、他の料理を潰してしまうような強い味でした。焼酎やウイスキーのような酒のツマミには向いてそうですが。それでも、さがびよりとの相性はよく、米の味は消されませんでした。それ以外もいくつかの料理との相性を試してみましたが、明太子やバター醤油ご飯との相性がよく、魚(ほっけ、ブリ照り)とも両者ともに引き立てる形でした。唯一ダメだったのは、山菜にあたるうるいのおひたしですが、これは最初から覚悟していた通りお米の味の方が強くなり、うるいが目立ちませんでした。過去の紹介米だと、「てんたかく」「こしいぶき」あたりでなければ同じ結果になるかと思います。ごちそうさまでした。ふるさと納税での申し込みはこちら伊万里市への申し込みはこちらです。楽天ふるさと納税の場合には、3個入りのセットになります。【ふるさと納税】【無洗米】お米マイスター厳選!!さがびより2kg×3袋【真空パック】 B540価格:12,000円(税込、送料無料) (2024/2/13時点)楽天で購入もう少し小ロットがいいという方は、江北町へのふるさと納税でも返礼品として受領できます。江北という地名は聞いたことがない方が多いかも知れませんが、鉄道マニアの方なら、「肥前山口駅」が昨年「江北駅」になったと聞けばお分かりいただけるかもしれません。【ふるさと納税】令和5年産 さがびより 無洗米 4kg ( 2kg×2袋 ) 【大塚米穀店】 [HBL012]価格:7,000円(税込、送料無料) (2024/2/13時点)楽天で購入佐賀県みやき町ってこんなところ伊万里市の紹介は前回の記事でしたため、今回は「大塚米穀店」のある、みやき町を紹介します、伊万里市とは県の反対側、福岡県と接する県東部にあります。隣接市は、南側に福岡県第3の都市久留米市があり、地区にもよるようですが経済圏としては佐賀県内よりむむしろ久留米市を向いているようです。町の南端、久留米市との市境(福岡県との県境)は、筑後川で区切られていますが、河川改修があったために、筑後川の対岸に土井外、坂口という飛地があり、町内と行き来するには一旦福岡県を通過する必要があります。県内の近隣の自治体には、東側に鳥栖市、西側に上峰町、吉野ヶ里町、神埼市があります。さて、神埼市と言えば、ふるさと納税をめぐる談合で市長が今週(2/13)逮捕されたばかりですが、西側の他の2自治体と今回紹介のみやき町も、どこもふるさと納税ではトラブルを起こしており、「問題児4兄弟」のようになっています。ちょっと怒りが収まらないので、これについては別記事にてきちんと紹介します。(「大塚米穀店」自体は、これらのトラブルに巻き込まれた業者ではありません)佐賀県のお米自体は美味しいので、今後はふるさと納税という手段は頼らずに入手・紹介します。