2002/08/20(火)23:07
矢追純一のUFO特番 懐かしのテレビシリーズ 第二回
夏休み特別企画の第二回です。 これも定番中の定番でした。 チャララー、チャラララー♪ で始まるこの番組中の衝撃映像の数々にどれくらい子供の自分は驚かされたことか。 今でも時々UFO特番は時々作られるけど、矢追氏がディレクターをした番組とそれ以外では、違いは歴然です。 何が違うのか? 一言で片付けると「情報量の多さ」です。 例えば「ナチスドイツがUFOを製造していた!!」というネタがあるとしましょう。普通のディレクターであれば、その証拠写真と安っぽい再現映像、そしてスタジオに仰々しく作ったセットに何人かのタレントさんを集めてトークをさせて番組を作ってしまいます。 適当に仕切れる司会者が一人いれば、後はオカルト完全否定派以外のタレントさんを出しておけばそれなりに見ることが出来ます。お茶の間の「そんな馬鹿な」ってな突っ込みも「えーっ」という驚きも全てタレントさんが代弁してくれます。 しかし、矢追氏の作り方は違いました。 まず、証拠写真と安っぽい再現映像。ここまでは同じです。ここからが違います。この番組の要とも言える「新事実」を冒頭5分で全て明らかにしてしまいます。この編集が実に上手いのです。「謎の円盤UFO」の冒頭ナレーションでお馴染みの矢島正明さん(だったっけ?)の語りと共に次々と明かされる新事実。と、前にも見たんだけどもう忘れてしまった映像のつるべ打ち。ネタを持っていないと出来ない演出です。 この5分間以上の衝撃は残りの1時間半の中にはありません。断言します。絶対無いです。見せ方が巧みなのでのこりの時間も飽きることなく見ることができますけどね。 スタジオにセットを作ってタレントさんを呼んだりはしません。代わりに本人が現地に取材した映像が入ります。この取材映像は体験者や目撃者の証言であったり、新発見の写真の科学的分析だったりして、信憑性を高める役目を果たしています。取材映像の合間に、参考として過去の事例が挿入されます。また安っぽい再現映像も実に効果的にインサートされます。このインサートの仕方がまた上手いんだ。 冷静になって考えれば、全然関連性ない事件も、言葉巧みに関連づけて見せてしまう手法は神業とも言えます。 CM前に「この映像に映ったものは果たして?」振っておいて、CMが開けると全然別の話題にすりかわっていることもしばしば。でもこれも気にさせないのも凄い。 テレビの前で「えーっ!!」と叫ぼうと「そんな馬鹿な」と怒ろうと誰も同意してくれません。それどころかネタがどんどん出てきて、ひとつのことに驚いている時間はありません。 番組を最後まで見ると最初に提示された新事実の真偽はどこかに吹っ飛んで。「もう一度、地球で暮らすことの意味について考えねばならない」みたいな何か教訓じみた言葉で締めくくられてしまうのである。 とどめに、もっと詳しく情報を知りたい人向けに本が、何故か同時期に出版されます。 記憶を頼りに書きましたけど、そんなに間違っちゃいないと思います。 否定派、肯定派の争いも面白いけど、また矢追氏のUFO特番が見たい という気持ちで一杯です。