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2022/12/04(日)00:02

158.もうやってらんない [ カイリー・リード ]

【読書】小説(海外)(24)

本のタイトル・作者 ​ もうやってらんない [ カイリー・リード ]​ "SUCH A FUN AGE" by Kiley Reid 本の目次・あらすじ 2015年、フィラデルフィア。 大卒25才のアフリカ系アメリカ人エミラ・タッカーは、速記タイピング以外のパートタイムの仕事を見つけようとし、裕福な白人家庭の子供、ブライアーのシッターを始める。 ブライアーとキャサリンの母親である33才のアリックス・チェンバレンは、手紙書きが仕事に繋がり、本の執筆を進めている最中だ。 ある日、ニュースリポーターをしているピーター・チェンバレンが番組内で人種差別的発言をしたことから、チェンバレン家に卵が投げ込まれ、窓が割れる。 アリックスは誕生日パーティーに出ていたエミラを呼び、警察が来ている間、ブライアーを家から連れ出してもらうように頼んだ。 エミラはブライアーを連れて近所の高級スーパーに時間潰しに出掛けるが、そこで誘拐犯でないかと疑われ…。 感想 2022年158冊目 ★★★ デビュー作にして、英国最高峰の文学賞、ブッカー賞にノミネート。 2時間ものの軽い洋画を見てるような、そんなお話。 裕福な家庭の子守、ということで映画「私がクマにキレた理由」を思い出した。 白人と黒人。 その日常的な差別と、意識の違い、見えている世界の差についての行き違いを描いた物語。 リベラルであろうとする白人たちは、それを社会的ステータスのように見せびらかし、文化的アクセサリーのように飾り立てる。 それはそもそも、「自分たちとは違う」というくっきりとした線引きだ。 これ以上なく。 エミラがベビーシッターをしている間、アリックスが用意したTシャツを着ていることを、「ユニフォームを着せられている」と言うけど、これはかなり屈辱的なこととして捉えられてるんだな。 日本は制服文化だからそんなに感じないのか…。 私は年齢的にもママのアリックス側に立ってしまい、エミラがあんまり好きになれなかった。 しかしアリックスもな…大概やな…。 エミラの親友ザラは、チェンバレン家を訪れて言う。 ここってプランテーション的。 そのとおり。 最後の展開は、「言っちゃうの!?言わないで!!」とエミラに思いながら読んだ。 決定的ではなくても、嘲笑はした。 うーん、ほかにやりようはなかったのか(アリックスに甘い?)。 本の中にマリエ・コンドウ(近藤麻理恵さん)が出てきて、ハードカバーの本を買っておきながらものを捨てようとするなんて、という描写に使われてた。 ときめきの片付け、本当に人口に膾炙しているんだなあ。 ↓ 「見たよ」のクリック頂けると嬉しいです ↓

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