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2005/05/19
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カテゴリ:novel
「待てよ」

私は、その不満そうな面を丁寧に振り返らせた。

「…何?」

「逆だ」

「…?」

「お前が俺の空間に入り込んできたんだ。そうだろ?」

「…」

えっと…そう。カギは確かに不自然に壊れていた…。

「あんたが先に入った、そう言いたいの?」

「それはそれで正解だ。しかし、ここはお前の場所で良い」

「?」

「お前が入り込んできたのは俺のアパートの屋上さ」

「!」

この男…!

「お前、少し前の…記憶が部分的に無いんだろ?」

「…なんで知ってるの…私は家族以外には話してない」

「俺の目の前で記憶を無くしたんだ。俺が分からないはずが無い」

「!!」

やっぱりこの男…!!

「あんた…!」

「俺はお前の記憶を持って来てやった。だからもう一度、見せてくれ」

「…?」

「俺は死ぬ前にもう一度見ておきたい。お前が記憶とともに無くした蒼い涙を」






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Last updated  2005/05/19 04:10:23 PM
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