2019/06/23(日)21:27
【ネタバレ】「人類は衰退しました 9」の感想/まさかの完結編
こういう話って完結しないもんだと思ってましたよ!
人類は衰退しました9【電子書籍】[ 田中ロミオ ]
前の8巻読んで、最後に「つづく」が出たとき、正直ブチ切れそうでしたよ(^_^;)。
はあ?!
舐めとんか?!
一冊でちゃんと終われよ!
それでしばらく「人退」のことは忘れちゃってたんです。
知らんうちに「9」が出て、しかも「ここに完結!」なんて書いてるからマジびっくり。
これって「完結」するような話か?
言ってみれば、ドラえもんみたいな話ですやん。
アイディア続く限りいつまでも話続けられますやん。
てゆーか、まとめるようななんかあったっけ?
そしたらねー、まとめるようななんかあったんです!
結論から言うと、今までの話全部まとめてきれいに完結してました!
面白かったです!
でもこれは1〜8読んだ人が9巻読んで味わえる面白さなので、9巻だけ読んでもわけわからんよ!
興味のある人はぜひ1巻から読んだってね!
私も全部読み返したくてウズウズしてます。
あれ伏線だったんか〜。
そういう本です。
以下ネタバレ。
今までの「人退」シリーズ全体から伏線回収というか、特に7巻が伏線とは気づかんかった!
なんで「取り替え子」が超能力使えるのか?
それは、この時代の人類が…
大丈夫ですか?
かなりのネタバレですよ?
読んで平気?
OK?
この時代の人類全体が、既に人間じゃないからです。
な、なんだってー?!
えっと、主人公の「わたし」ちゃんは成り行きで、人類と妖精の歴史を追体験することになったんだけど、過去の妖精って、いわゆる「妖精さん」と違うのよ。
最初はもやもや〜としてて、時代が下るとだんだん人の体に似てきて、でもまだ裸。
使える能力も、いわゆるサイコキネシス的な触らずにモノを動かすとか、機械と話して言うことを聞いてもらうとか、「妖精さん」の不思議なものづくり能力と違うよねー。
ほんでもう、ぼかしてぼかしてはっきり書いてないんだけど、私が読み取ったのは…
この過去の妖精ってのは、人間に憧れて人間になりたくてだんだん人間そっくりに進化して、ちょうど人類が衰退していくすきにいつの間にか人類になり変わっちゃったのよ!
人間そっくり過ぎて本人達も自覚ないっていう。
ほんとの人類はほぼ絶滅。
な、なんだってー!?
人間になっちゃった妖精は、人間は魔法なんて使わないから、自分の中の魔法の力を心から締め出しちゃった。
その魔法の力がまとまったのが「妖精さん」。
しかも今までの人類の歴史を全部知ってる状態なもんで、更に魔法チックな存在に。
(自律型スタンドっていう表現がしっくり)
いやー、びっくりしたわー。
そう来たかー。
「取り替え子」が超能力使えるのは、元が妖精だから。
「助手」は妖精の血が混ざってない純粋な人間の血筋の生き残り、だから認識されにくい。
妖精の目は節穴、目で見ているんじゃなく、魔法で感じたものを見えてる気になってる、だから魔法を全く持ってない「助手さん」は感じにくい→見えない。
機械知性が饒舌だったり、動物が知的だったり、なんだか絵本めいた世界観も、人類(元妖精)から染み出た魔法の力のせい。
今までの話がつながるんよねー。
今まで登場したキャラクターも大集合、大サービス。
よく考えたら「巻き毛」ちゃんなんて話に関わりありませんやん。
Kさんだって、月まで行く必要ありませんやん。
P子さんとO太郎君は役立つけど。
サービス、サービスぅ!
以下、伏線とか登場したキャラのある巻
8巻「妖精さんたちの、ゆめであえたら」:そもそも続きだし。ラクッコピコリンと夢世界。命は光?
1巻「妖精さんたちの、ちきゅう」:今回のサブタイトル「妖精さんたちの、ちきゅう′」と対。
2巻「人間さんの、じゃくにくきょうしょく」:知性ある動物。現人類の目は節穴(光学的に見ていなくて、魔法で感じてる)。
2巻「妖精さんたちの、じかんかつようじゅつ」:助手さんの出自。
3巻「妖精さんの、おさとがえり」:O太郎(V君)とP子さん。
5巻「妖精さんの、ひみつのおちゃかい」:Yと巻き毛。妖精さんが人間の中に入ってくるのは逆輸入か?
7巻「妖精さんたちの、ちいさながっこう」:取り替え子という存在。ひいては「妖精」という存在?
7巻「人類流の、さえたやりかた」:工作員のKさんとプチモニ。(モニが端末=妖精さんと勘違いが、伏線だったのか!)
小ネタではバナナ(2巻「妖精さんたちの、じかんかつようじゅつ」)とか、羊のフィリップ•ハワード一族(8巻「妖精さんたちの、ゆめであえたら」)とか、髪の毛のコントロール(4巻「妖精さんの、ひみつのこうじょう」)とか。
それに、9巻自体も伏線の貼り方、話の持って来方がうまくて!
ラクッコピコリンで夢世界(バーチャル)体験、そのまま心だけ旅行、その後月世界のロボットに乗り移ったり。
プチモニも、本体から端末へコピーするかしないかでわやわや。
そこらへんの展開が、お祖父さんの行く末への伏線だったんだなあ。
糖尿で死んじゃった妖精の件も、なんかいろいろ解釈できるし。
「わたし」がお祖父さんを救おうとする積極的な行動がストーリーの芯だし、それがちょうど人類と妖精の謎に肉薄。
ほんで人類と妖精の真実に気付いたことが、結果的に自分と仲間達を救うことになったんですよ!
他人を救おうと頑張ることが、回り回って自分を救うっていう、ええ話!
大好きです(*^^*)
それから、いつもの(?)パロディですが、今回は某ロングシリーズ暗殺者さんネタがありました。
イラストがやばす(^_^;)。
スタートレックの小ネタもありましたな。最初の映画のやつ。マニアック、ていうか、古臭いネタやのう。
蒸気機関車で魂の旅をするのは「銀河鉄道の夜」でしたな。
こうしてめでたく完結した訳ですが、別にこれからもシリーズを書いても何の問題もないっていう(^_^;)、なんて便利なコンテンツなんや!
未来の不思議な世界、発明、妖精さんの童話的災害、まだまだあるでしょ?でしょ?
てことで、さらに新刊が出てます。
人類は衰退しました 平常運転 ガガガ文庫 / 田中ロミオ 【文庫】
短編とショートショート、9巻のその後の話もあります。
いやー、田中ロミオさん、いいコンテンツ作りましたなー。
たまでいいんで、またボチボチ新しいお話を書いてくらさい!
ロミオさん、よろしくお願いしますm(_ _)m
そういやアニメありましたな。
クオリティ割と高かったです。
人類は衰退しました 妖精さんの、ひょうりゅうせいかつ/妖精さんたちの、ちきゅう [ 中原麻衣 ]
お祖父さんのセリフがどうしても頭の中で「オーキド博士」で聞こえてくる(^_^;)
アニメでそうだったんかなー。
p.s.
流し読みしてましたが、最後の「ジョシュア•コートニー」って、「助手さん」よね?!
ダジャレか!?(^_^;)
関連項目
【ネタバレ】「人類は衰退しました7巻」買いました