てこてこ とことこ たかたかた
曇り空の下 不規則なリズムの散歩は続く
私はひたすら もう15分以上にわたり
2歳児のペースに合わせ 散策を続けてる
予定より30分以上遅れた家事のことは、ついさっき考えるのをやめた
お茶目で素直な、目の前で小川に小石を投げている女の子に
諦めの溜め息を禁じ得ない私だけど
すれ違うおばあちゃんたちはこの子を見てとても優しい顔で微笑むんだ
まるでカラリと晴れた空に、真っ白に輝くシーツを張っているように
ただそこにいるだけで
このこはみんなをえがおにできる
むくなてんし
わたしはてんしとくらしてる
余裕を持って、起きて日課の体操をして
出かけた日が晴れたなら尚のこと気持ちがいい、けれど
「ああ~~また遅刻!」なんてイライラする日には
私のピリピリは車や表情を通してみんなに伝染していってしまう
どんなに晴れてても
ある日
図書館の帰り道 信号のないT字路
自転車の小学生が、二人で止まって車が途切れるのを待っていた
こういう場合車の方が止まらなくちゃならないはずなのに
彼らは嫌な顔一つせずに
私が止まったら、彼らは不思議そうな顔をしたので
にっこり笑ってどうぞの仕草をしたら
先頭の子は車じゃなく私の顔を見て
きちんとしたお辞儀をした
次の子は続いて通り過ぎるのかと思ったら
その子も同じようにきちんとお辞儀をして 通り過ぎたんだ
あるリヤカー引きのおばあちゃんが言っていた
「車に乗ると人は横柄になるね、あれは顔が見えないから」
あのこたちは、ひとのかおをみれるこたちだったな
わたしにえがおとこうふくかんをくれた
そしてきづいたんだ
あのこたちも、そしてわたしもてんしだってことに
今、私が子供達に一番望むことは
元気でいてくれること
ただそれだけでいい
ただそれだけでいい
本当はいい子になんかならなくたっていい
ぼーっとしてたっていい、数字を逆から書くくせが直らなくたっていい
いつまでも甘えん坊だってかまわない、箸が時々バツになっても
あんたたちが生きていてくれるだけで
ただそれだけで、あなたたちはだれかをしあわせにできるんだよ
いきていて
いきていて
いきていて
お願い
いきていて
いきていて
いきていて
おかあさんいつまでもしなないでと わたしをこまらせるかわいいこ
いきていて
いきていて
いきていて
みんなおなじ あなたも、わたしもみんなてんしだから
いきていて
いきていて
いきていて
それだけでだれかをえがおにできるのだから
てこてこ とことこ たかたかた
てんしとくらしてる
みんな てんしとくらしてる