きまぐれMAT

2007/06/11(月)10:38

第3話「湖のひみつ」

ウルトラセブン(4)

木曽谷に怪しい物体が落下したとの報告を受け、ダンとフルハシが調査に向かうと、川で不思議な少女と出会う。 物体は異星の円盤で、中に潜入したふたりは謎の白煙で眠らされてしまう。そして、ウルトラアイが盗まれてしまった…。 怪獣のアイデンティティって、まぁ角やら特殊能力やらいろいろあるけど、尻尾もそのうちのひとつに挙げられるだろう。 たとえばゴジラやゴモラなどの、それ自体が強力な打撃系の武器となる尻尾は、己のパワフルさ、存在感を雄弁に語るものだ。 逆に細い、短いなどの、おい、その図体でそりゃないよ、的な尻尾はいかんともしがたく存在感は薄い。 で、今回登場のウルトラセブン怪獣中キングジョーと並んで最も有名なエレキングはというと、これがまたいいんだな。 一見ムダに長いと思われるあの尻尾も、武器としての能力を考えると納得。相手に巻きつきバリバリと電撃攻撃。いいね、こういうの。怪獣かくあるべし。 また、エレキングのスタイルって、その尻尾も合わせて不思議なまとまり感と美しさがある。顔の左右で回転する目(というか、アンテナというか…)、笑みを浮かべたような口、体の処々の黒い模様は皮をはいで今まさに揚げられようとする天ぷらナスのようだし、地の色の白はなんともいえない質感。登場するのがタイトルどおり湖のため、着ぐるみも水にぬれてテカっているシーンが多いのだが、実に見事な美しさ。ストーリーが進むにつれ、着ぐるみが汚れこの白色が黄色くくすんでしまい残念だ。 思えばエレキング、モノトーンタッチな配色にもかかわらず、決して地味に見えない。怪獣としてのプロポーションと武器(尻尾の電気ショックに加え口からも光線状の飛び道具を吐く。遠近両方に対応するマルチ攻撃が魅力的だ)ゆえに、セブンの怪獣=エレキング、という図式を確立させたんだなぁ。 さてストーリーだが、前の1、2話と違い、地球を侵略する宇宙人とそれに操られる怪獣、ってフォーマットが、セブンではこの回初めて見られる。 ダンとフルハシが川で出会った少女は、実はふたりいて、その正体はエレキングを操るピット星人。ひとりは円盤でエレキングに指令を出し(ついでにウルトラアイを盗んでしまう)、もうひとりはダンたちとともに白煙にやられた振りをしてウルトラ警備隊の基地内に入り込み、隙を突いて基地の破壊活動を実行。 で、この破壊活動ってのがまたわかりやすいというか、いい加減というか、基地のとある装置のスイッチをメチャクチャに押しまくるというもの。すると装置から火花が飛び、故障…したはずなのに、その後ウルトラホークは普通に発信するわ、作戦室も問題なく機能している(ように見える)で、いったい彼女は何を破壊しようとしてたんだろう? この回、初めて見られるシチュエーションがもうふたつあって、キリヤマ隊長の代名詞「なにっ!?」ってセリフ(しかしなぁ、こんな何気ないセリフが後々までファンの間で語られるとはなぁ…)と、ダンがウルトラアイを奪われるシーン。 白煙に巻かれたダンが目覚めて胸に手を当てつぶやく。 「敵は僕の正体を知り、秘密のウルトラアイを奪ったにちがいない。(略)なんとしても奪い返さなければならない。ウルトラアイは僕の命なんだ」 ま、そりゃそうだ。それがなきゃセブンの姿に変身(というか、戻ることが)できないし。しかしそのわりに、あまり慌てた様子もなく、ストーリーの後半ピット星人のひとりと争った際、ピット星人がアイを落としたのを見てやっと「おっ!」という顔をするくらい。 ウルトラアイの盗まれる場面がその後のエピソードでも何度か見られるが、ダンさんちょっとガード甘すぎでは? 変身できないダンの代わりに、第二のカプセル怪獣ミクラス登場。力ではエレキングと互角。尻尾をつかんで振り飛ばしたり。 しかし、必殺技を持たない悲しさか、エレキングの電撃で敗退…かませ犬だな。好きだけどさ。 そのエレキング、セブンとのバトルではエメリューム光線でアンテナの目を折られ、アイスラッガーでぶった切られる。このシーン、懐かしのドラマ名場面なんて番組でもよく見られるけど(そういや最近この手の番組ってやらないな)、テンポがいいね。 今回のこのひと言。 「地球人の男性はかわいい子に弱いってことがわかったんだもの」 物語の最後、ピット星人が円盤で地球を去ろうとする際のひと言。 いやさ、そりゃごもっともなんだが、しかし劇中彼女らを見て鼻の下を伸ばしていた隊員、ひとりもいなかったぞ?このうぬぼれがピット星人敗退の原因だな(笑)

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