うつ病の発症
うつ病がなぜ、どのように起きるのかについてはまだよくわかっていませんが、感情や意欲は脳が生み出すもので、その働きになんらかのトラブルが起きていると考えられます。具体的には、脳の神経細胞同士でやり取りされる神経伝達物質(セロトニン、ノルアドレナリン、ドパミン)のバランスの乱れが関係している可能性があります(詳しくは「脳科学から見たうつ病」をご参照ください)。神経伝達物質の量だけでなく、うつ病になりやすい気質(性格)やうつ病を引き起こすきっかけとなるストレス(環境変化)があり、それらが組み合わされることでうつ病が起きると考えられています。うつ病になりやすい気質(性格)としては、生真面目、完璧主義、自分に厳しい、凝り性、気を遣うなどがあげられ、そのような性格のためにストレスを受けやすいと考えられます。また、学校や社内でのいじめ、受験や仕事での失敗、失恋や離婚、家族や親しい友人との死別といった悲しい出来事だけでなく、結婚や妊娠・出産、昇進・栄転、進学・就職、家の新築や引越しなど、喜ばしい出来事であっても環境が大きく変わることでストレスが生じ、うつ病を引き起こすきっかけとなることが知られています。