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Choral am Ende der Reise ~旅の終わりの音楽~

Choral am Ende der Reise ~旅の終わりの音楽~

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2006.02.19
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カテゴリ:カテゴリ未分類
蔵王から帰ってきた。
こんな帰ってきてなんでいきなり
さっそくパソコンを開いているかというと
中毒だから。

とかもいえるんだけど、とにかく姿勢を正させられる
気持ちになったからである。

一緒にいったヨータローさんという人の話である。
この人はほんとうにすごいよ。
と思った。
ヨータローさんというのは、チェロ弾きの内科医である。

話をきいていると、この人の知識とか知性とか賢さというのは、
本当に筋が通っていて、それはつまり
知識という縦糸に知性という横糸が入っているから
なんだけど、それははじめからおわりまできっちりと
伝統工芸品みたいに入っているのである。
そして、その伝統工芸品というか、その知性だとか
賢さというのは、何に支えられているかというと、
「誠実」とか「誠意」だとかそういうとこにあるのだ。
この人が何か「誠実」なことを言ったり
そういう「誠」っぽいことが含まれていることを
言おうとすると、ぴっと言葉にものすごい説得力が、
コットンに水を含んでるように、含まれるのである。
それはなんでかというと、ヨータローさんという人が、
結局は誰よりも一段上のところにいるからである。

貧富だとか老若男女とわず、人には
クラスというか格付けというのがされていて、
そこで人生をやっているのであるのだが、
そのクラスというのはなかなか上にあがれるようで
あがれないもので、たとえばその階にいる人は、
どう頭をひねっても、その一段上の人の考えというのは
100%は理解できない。
でも、同じ階にいる人は、すっと、水道から水をひねるみたいに、
「赤子の手をひねるように」、理解できてしまうものなのだ。
そういうものだ。


なんかいろいろいろいろ旅行中に話してたんだけど。
私にとって、なんかエンコンというもの、
人間関係というのは距離をおいてしまえば
だいたいのところは解決してしまうのである。
そういう解決できるところで、
「それは永久に解決しない」といってがんばっていると、
自分の可能性、つまり、光っているような、
ぴかぴかするような、自分のほんとうにいい意味で伸びる
ところをだめにしてしまう。
「私はこんなひどいことをされた」
と被害者として語っていると、
はたから見る分には、自分が、「あの加害者は」
と思っている、加害者と同じレベルにどんどん
下がっていくように見えるのだ。
つまり、もりゆうかさんとかが、「差別差別っていうけれど」
と何度もおっしゃっていることがそこにあって、
つまり被害者でいると、自分に同情すると、
自分を損なうような、ほんとうに伸ばすべきことが
できなくなってしまうし、そのための努力もできなくなってしまう。
それがいやなら、ほかの可能性でも試したり
しないの?人間関係というのは、組み合わせの話なので、
他人にどう組み合わさるのかということで、
すごい話が違うのだ。
そして、ほんとうにすごい人というのは、
「こんなことを私はされた」とかいつまでも
言っていないのだ。もしくは、言わないのだ。
と思う。どんなにきついことをされていてもだ。

なんというか、自分に同情していると、
自分の、「一流になれる才能、ほかの人は絶対にできない、
夕焼けみたいにものすごく美しいところ」というのを
だめにしてしまうのだ。
ほんとうにそう思う。


そしてヨータローさんに思ったことは、
ほんとうにこの人は、一段だか二段だか上のところにいて、
ふつうの人より、頭もいいし飲み込みもいいし、
いわゆる、嫉妬する人が口にする、
「恵まれた環境」にあるのだ。が、
この人の行動にはその辺の人びとへの深い意味での愛情だとか
敬意だとか誠実だとかそういうのが元になっている。
だからこそ彼の行動にそれが全部出ているし、
そういう行動が彼を、その一段だか二段だかの
世界にいさせるのだ。

ほんとうにすごいなあ。

そして、その一段だか二段だか上にいることって、
すごいつまんないギャグを言うとか下ねたを言うとか
女を触るとかそういうこととは全然関係がないのだ。

そして、こういう一段だか二段上にいる人って、
ほんとうは「人を癒したい」っていう気持ちが
底にあるんだと思う。
だってジュリエットビノシュも言ってたもん。
そして、その気持ちというのを、
自分に向いているやりかたでじゅんじゅんに
やっているんだと思う。そして、それが
天職という言い回しなんだと思う。
愛情というのはいろーーーんな意味で出回っている
言葉だけど。

チェロ弾きにはたまにこういうびっくりさせられる人が
いるが、ヨータローさんにはほんとうに今回
びっくりさせられたし、もうついてくよ。
と思った。


すっごいびっくりしたことが前半あったけど、
ほんとうにこのスキーツアーの人たちに
癒されたというか、変化をうけたというか、
なんかいい意味での土台変化というのがあった。
「どうやっていきたいか」とか、
「どう、自分の世界を追及していくか」というか。

小さいときは、「大人になったら、どんどん
つまんないことが増えてきて、毒がだまっちゃうんだ。」
と思っていたけど、そうではなくて、
大人になればなるほど人生はどんどん深みを増していくもので、
そして、自分の世界を一段上にもっていく楽しさというのが、
つらさとともにあるんだなあ、と。
でも、そのつらさがあるからオモシロイんだなあ、と。







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Last updated  2006.02.19 23:31:29


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