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Choral am Ende der Reise ~旅の終わりの音楽~

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2006.12.19
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水木しげるさん。

これ、文庫のためのあとがきにものすごいすてきなことが
書いてあるので引用します。
なんてさわやかなのだろう。


”エリマキトカゲ”だとか、”なまけもの”とか、
”キュイ”などというのは、みればみるほど不思議な生活だ。
彼らはこういう生き方しかないのだと、半ばあきらめているようでもあるが、
なんとなく”希望”をもっているようにみえるところが面白い。
考えてみれば、人生は衣食住がたりれば、退屈なものだ。
ぼくはいつも、家に飼っている鳥かごの中の鳥たちをみて感心する。
中には六、七年ひたすらカゴの中で生活し、少しもあきず、
希望にみちた目をしている。食事だって、毎日同じような
まずいものを食っている。
どうして、小鳥たちは、退屈しないのか、自分の不幸をなげかないのかと
時々のぞいでみるが、けっこうたのしそうだ。
きっと神様が、そのように創ったのであろう。
わずか三十センチ四方の中にとじこめられ、
人間でいうなら”終身刑”みたいな状態、いや、
それよりひどい状態で、鳥たちは”希望の歌”をさえずっているのだからおどろく。
いずれにせよ、世の中、いや、地球上は、不思議なことが多い。
ぼくはなんとかして、鳥かごの鳥の心を研究して、なんにもなくても
幸福になれる術を学べないものかと思ったりする。
ある日突然、なにをしなくってもバカに充実した気分になれる風を
すいこむことだってあるかもしれない。
まあいずれにしても、人生は希望をもつべきだろう。
このとりとめもない一文をもって、あとがきに代えます。
では皆様、お元気で。

(不思議旅行 水木しげる 中公文庫)





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Last updated  2006.12.19 21:14:49


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