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カテゴリ:パソコン
ピエゾスイッチの続報。 脳性まひの不随意運動であらゆるスイッチも厳しかった私ですが、力が入らない状態を経験してみると、いいこともそうでないこともあることがわかった。 まず、いいことは、勝手に動かないので、精神的に静かにしてられる落ち着きの中にいられる。これは一番ほっとできる安定だ。何よりうれしい。 自分の意志で考えたいときに考えたいことを考えられるのは、この上ない自由だ。自分の身体の主人は自分だと確認できる。 肉体を翻弄する不随意運動の中では、多くの人がそういうもの、として受け入れながら共存するしかないと聞いたときは、心底落胆した。これは、突然襲う痛みや嘔吐と同じ。外部環境からの侵略だ。 意志でコントロールできない不快とは、本当に精神を壊してしまう。それに耐えるだけの強さを持ちたいと本当に思った。いろいろなことを試したものだ。 その一つがスイッチとの出会いだった。 支援を受けながらでも自分で働きかけた運動がスイッチを通して、外部の環境に何かしら「自分が」発信できる体験は大きな希望になった。 初めて押したスイッチで呼んだ「おかあさん」は忘れない。 不随意運動の中にある、意志のある随意運動を取り出すのは、それはそれは大変な仕事だったのだから、麻痺が減ったということはとってもよいことである。 しかし一方、動けなくなって困ったことは、表情や動きで伝えていたことを表現しにくくなってしまったことである。 一生懸命腕や顔に命令を出しても、変化がとてもとても微細になってしまった。 大きすぎるのも小さすぎるのも大変だ。 なんでちょうどよくならないのかと、またいら立つ。 そこで、ピエゾがあることを思いだして、これなら物理スイッチができるかも?と再チャレンジできるのもIT支援のみなさんのおかげである。 空気圧の感度を調整できることを利用して、私の握りやすい太さと強さを探った。 ゴム手袋の指の中にスポンジを詰めて、シリンジの先端に取り付けてある。タイミングよくおしたことを確認するために、ライトとブザーが付いている。 一人でも地道に練習可能だ。タイミングが付けるかどうか、いささか不安も残るけれど、再チャレンジにはものすごく希望がある。 しばらくスイッチからご無沙汰しているうちに、スイッチ業界も進化していることだろう。 定型文でも音声が出るようにすれば、自分の意志での会話がかなうのだ。 通院で主治医に報告したら、ホーキング博士みたいに!!とエールをもらった。 宇宙が大好きで、待ってろ宇宙、と話した博士。 私にとっての宇宙は、自由に会話がとびかう言葉の宇宙だ。 待ってろ宇宙 野望は広がる。
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Last updated
2015.10.08 08:14:20
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