DR. きぎ こういち のレトリート          (RETREAT)

2022/05/04(水)21:46

中国の「ゼロコロナ」政策

動向(932)

  厳格な行動制限などで新型コロナウイルスの感染を封じ込める「ゼロコロナ」政策を掲げる中国が、正念場を迎えています。上海では1カ月以上にわたり都市封鎖(ロックダウン)が続くほか、北京でも感染が広がり始めています。北京の新規感染者数は上海ほど深刻ではないが、市当局の危機感は強く、市のほぼ全域の約2000万人を対象に大規模PCR検査を実施し、感染者が確認された居住区を次々と封鎖するなど対策を強化しています。 中国各地で強引な隔離措置が取られ、市民の反発は強まっています。 北京と隣接する市が、感染者が1人だけにもかかわらず、市域全体の都市封鎖に踏み切りました。背景には、各地方政府の幹部が、感染拡大を招けば責任を問われると極度に恐れているためです。 SNS上で、住宅入り口のフェンス写真や映像、住民の不満の声などの投稿は当局によって次々と削除されています。習近平指導部はゼロコロナ政策によるコロナ封じ込めを中国の「制度的優位性」の成果と誇ってきました。今年秋には5年に1度の中国共産党大会を控え、中国は政治の季節に入っています。この時期にゼロコロナ政策を転換すれば、習指導部が自ら誤りを認めることになりかねません。

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