『金色夜叉』
『金色夜叉』は、明治時代の代表的な小説で、尾崎紅葉が著した作品です。読売新聞に1897年から1902年まで連載されました。前編、中編、後編、続金色夜叉、続続金色夜叉、新続金色夜叉の6編からなっています。 物語は、主人公の間貫一とその許婚である美しいお宮の恋愛を描いています。お宮は富豪の富山唯継に見初められ、金に目がくらみ、貫一との結婚を破棄して富山と結婚します。これに激怒した貫一は、生きながら悪魔になることを決意し、高利貸しという悪徳な商売に身を投じます。一方、お宮も幸せに暮らせず、貫一のことが忘れられずにいます。 『金色夜叉』は、その詳細な描写から、当時の社会を知る重要な史料となっています。熱海の海岸といえば、尾崎紅葉の「金色夜叉」です。 「来年の今月今夜のこの月を僕の涙で曇らせてみせる」 主人公間貫一が許嫁の宮に語ったセリフとして広く知られています。