カテゴリ:星雲
X4の故障と修理により、天体用改造カメラが手元からなくなっていました。
そのためこの冬は、なかなかDSLRでの天体写真が撮影できませんでしたが このたび、FBを通じて知り合った方に、X7iを改造してもらえたので、 お礼かたがた、何か撮って、改造の成果をお送りしなきゃ、と思っていました。 ですが、まあ、仕事が忙しいことや、天候と月齢がうまく合わないこともあり なかなか撮影できませんでした。 それに、実は最大の問題はフラットフレームだったんですよね・・・。 レンズはどうしてもその性質上、周辺の減光が起きてしまいます。 天体写真では、わずかな光量の差を画像処理で強調してゆきますので わずかな周辺減光でも、画像の出来栄えに大きく影響してしまいます。 そこで周辺減光はこの程度ですよ、とわかる画像を撮影して 画像処理の時にその減光程度を減算することによって 周辺減光がないかのような、空の明るさが一様になるような そういう画像処理をします。 その減光具合が分かる画像、というのがフラットフレームです。 フラットフレームは、 撮影した画像から割り算や引き算をするためのフレームですから、 星が写りこんでいては話になりません、 なにも写っていない、ただ周辺減光の程度が分かるだけ、の画像が必要です。 DeepSkyStackerのソフトの説明の部分に、ソフトの開発者が、 薄明の空を、鏡筒の前にTシャツをかぶせて撮影すると作れます と書いていましたが、 私がやる限り、明るさのムラは、かなりのものでした。 そこで、白い壁を撮影する、などのほか、 空の雲を撮影する、 Tシャツではなく、トレーシングペーパーをかぶせる、 白い半透明なレジ袋をかぶせる、 LEDや液晶の、面発光体を撮影する、 などなど、いろんな方がいろんな方法でやっておられるやり方をいろいろ試してみましたが、 ばっちり決まった!と思えるフラットは、いまだかつて一度も作れたことがなかったんです。 新しいカメラになったら、またこのフラットフレーム作りで四苦八苦しなきゃならん という思いこそ、 手元に改造カメラが届いてから、ファーストライトまでの時間があいた、 最大の理由でもあります。 今回は、まだ一度も試したことのなかったスカイフラット、 つまり鏡筒に何もかぶせず、 薄明の空などではなく、実際に撮影を行っている明るさの空、 そのうち星の少ない場所を選んで(今回はうみへび座の頭としし座の前足の間) 位置をずらしながら多数枚撮影し(今回は41コマ撮影)、 DSSのMedianKappaSigmaで統計処理 (明るい点が1コマだけで他のコマに写っていなければ異常値として取り扱われ消去されます) (この処理は、撮影中に人工衛星が通過した時なども非常に有効でその光跡を消してくれます) をすることで恒星像を消して、フラットフレームとする方法です。 本撮影の露出時間と同じがいいのかもしれませんが、 2分で40コマ、となると膨大な時間がかかるので、 とりあえず半分の1分で撮影してみました。 実はこの方法、ダークフラットフレームがないとうまく作れないようで、 ダークを撮影する前に何度作っても、全くフラットにならず泣きそうになっていたのですが ちゃんとダークフラットも加えて作ってみたら、 しっくりくるフラットフレームが作れました♪ ここまでしっくりきたのは初めてですね~~♪ (昨日アップの木星は、このフラット作成のため、望遠鏡につきっきりで) (1分ごとに視野をずらしていたときに、風がやんだ!と気づいて撮影したわけですね) それにしても、背景の色斑が減ることで、 星雲の色、特に自宅からは写りにくい青の調整が楽になりましたよ~~ クリスマスツリー星団付近(IMG_5797) posted by (C)ホシミスト_3013 Takahashi SKY90 (D90f407RD) Astronomik CLS CCD EOS Clip Canon EOS Kiss X7i(Ir) ISO1600 120秒×59Fr Takahashi EM100 (ノータッチ) 2017.02/18 22:18~ 大分県別府市自宅庭 DSS(L59D10F41DF26B0) StandardMode KappaSigmaClipping Autosave(32Bit)で処理 AdobePSCS2 NeatImage お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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