さて、ばら星雲1枚でブログの回数を稼いできたこの続きもの、
いよいよ最終回です。
JPEG画像で、周辺減光とミラーボックスケラレとセンサー状の埃
に泣かされましたが、泣かされて終わり、にはしたくありません。
どうするか・・・
画像処理用の画像、を使うんですね~~
それがDark、Flat、Bias、です。
実はデジカメのセンサーには、通電によって発生する熱によるカブリも
発生します。
このノイズを極力キャンセルしよう、というのが
Dark Frameです。
撮影するのと同じ感度同じ露出時間で、撮影の直前直後に
鏡筒に蓋をして撮影します。
カメラの温度が変わるとDark画像が変わってきますので、
鏡筒から外して、どこかにカメラを置いて、なんてしない方がよさそうです。
ノイズが少なくなる、という観点では20コマ以上くらい撮ったほうがいいかな?
と思ったりしますが、もっと少なくてもよさそうなので
人それぞれです。
Bias Frame
センサーに取りこんだデータを保存する時のノイズ、らしいです。
感度設定は同じで、そのカメラの最高速度のシャッタースピードで
カメラに蓋をして撮影します。
これは実際の写真を撮る時と同じ条件でなくてもよいようです。
私のカメラでは1/4000秒くらいになるので
できるだけたくさん撮ったほうがいいかな?と80コマくらいで作成しています。
DarkFlat Frame
この後説明するFlatFrameと同じ撮り方で撮影したDark画像です。
FlatFrame
これが最大の功労者であり、最も頭を悩ませるものです。
真っ白なものを撮った時に、どれくらい周辺減光が起き
どれくらいミラーボックスケラレが起き
いまセンサーにどれくらい埃が乗っていて、それで減光しているか
を確認する画像ですが、
この画像で撮影した画像を割り算することで
そういったものの影響をへらし、
空の明るさが一定になるように処理することができます。
問題はこのFlatFrameをどういうふうに作るとよいか、なんです。
結局、星の写真はどういうFlatを持っているか、というのが
非常に大きいな・・・とつくづく感じます。
Flatの作り方のいろいろ
①DawnSkyFlat
最近私がよく使っている方法です。
薄明の空の西の方に望遠鏡を向けて、そのまま撮影します。
撮影条件は、カメラで表示するヒストグラムのピークが
左側1/5くらいに来るようなシャッタースピードにしています。
(すぐに夜が明けてくるので、40コマとか80コマとか撮影すると
撮影終わりのころにはヒストグラムの左から1/3くらいになってます)
EOS Kiss X7i(Ir)+Astronomik CLS CCD
EOS 70D(Ir) フィルターなし
などでうまく決まっています。
②SkyFlat
極力星の少ない空を、撮影位置をずらしながら
対処を撮影した時と全く同じピント位置、カメラ位置、感度、シャッタースピード
で40コマ以上撮影します。
画像処理する時にKappaSigmaClippingで行えば
恒星の位置が重なっていないので統計処理で消されてFlat画像が得られます。
MT160+デジイチ
はこれでも不十分ですが、これ以外ではフラットになりません・・・
Tamron 80-200は割とフラットになってくれましたが
ノイズが増えてしまう印象です。
③壁フラット
カクテル光線の当たっている白い壁を
鏡筒をごろごろ転がしながら40コマほど撮影します。
明るさは①の時と同じ。
CLSフィルターを装着したSKY90などではうまくいきました。
④コンビニ袋やトレーシングペーパーを鏡筒にかぶせて空をとる方法
私がやってもちっともうまくいきませんが
私の知り合いの何人かは、この方法が巧く行く、と仰ってます。
⑤Tシャツフラット
①と同じなんですが、鏡筒にTシャツをかぶせて撮る
という方法で、DSSの開発者が、ソフトの説明をしているところに
自分はそうやってFlatを作っている、と書いています。
私試してみましたが、巧くいきませんでした・・・
⑥EL板や液晶画面を撮影する
残念ながら、私はEL板を作成する能力がありません。
そこで液晶を撮ってみましたが、巧くいきませんでした。
まあ、結局、どの方法が巧く行くのか
ひとそれぞれ、機材それぞれ、という感じで
持っている機材に合わせてどういう方法が巧く行くか試してみるしか
ないのかなぁ、と思っています。
今回はJPEGで処理した時に周辺減光やミラーボックスケラレ、埃
などで満足のいく結果にならなかった画像が、
①で作ったFlat画像を加えてみると
こんなふうに仕上がります。
こうなるとA3ノビにプリントアウトして、額縁に入れて部屋に飾ろうかな
と思っています。
(楽天)
(フォト蔵)
20180120ばら星雲 posted by (C)ホシミスト_3013
Takahashi SKY90(D90f407RD)
Astronomik CLS CCD EOS Clip
Canon EOS KissX7i(ISO1600 120秒RAW×66Fr)
Takahashi FC60+ASI290MC+PHD2Guiding 手動ディザ
2018.01/20 自宅庭より
DSS(L66D60F40DF40B80)KappaSigmaClipping
PSCS2(TIFF32Bit) ステライメージ8、NeatImage
さて、今夜は冷え込んできました。
明日の朝は道路凍結してるかなぁ・・・