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フィリピンの村や町をトライシクルに乗っていると、よく道がつっかえることがある。
最初は単なるラッシュアワーの渋滞かなんかだろうと思ってた。 しばらくして、それは、お葬式の行進とかち合っちゃたんだと知った。 そしてこれに遭遇する確率というの、が思いのほか多い。 何度も「やー葬式の行進とぶつかっちゃってぇ・・・」と遅刻の言い訳をされたことがあるが、半分くらいは本当だったんだろうと思う。(残る半分は嘘だね) 遺体を載せた車を先頭に、遺族友人知人がその後をねり歩く。 自宅から葬儀場までの道程、または、葬儀場から墓地までの道程。 今は亡き「彼の人」が、生まれ育ちコミュニティの一員として過ごした村(町)を、誇らしげに、哀しみに暮れて、叫びたい気持で、残された者達が行進する、普通の道路を堂々と占領し、ゆっくりと。 村中の鐘を鳴らせ!天に召された彼の人を思い、喪にふせよ! この国はこういった「お見送り」をするのだなぁ、と、葬送行進とかち合うたびに飽かず眺め、都度感心する。 しかし人々は必ずしも悲嘆に暮れてるわけではない。 けっこうヘラヘラとビーサンをペタンペタンと鳴らしてお散歩気分な人も多い。 子供達などは殆んどお祭り気分で興奮しているのが見てとれる。 つーかさ、アンタら、そのタラタラしたペースは、真面目さに欠けると思うよ。 行進の後ろで、我慢強く停留するバイクやトライシクルの運転手の「諦め感」も立派だ。 行進を抜かそうとか、早よせい!と急かすとか、そんなことはあんまりしない。 ただひたすらフツーに当たり前のように待つのみ。 でも、これって先進国だったらクラクションの嵐だろうなぁ。 とかなんとか思いながら、フィリピン各地の道路で葬送行進を眺めているうちに、気がつくと両手の親指をギュッと掌で包んでいる自分がいて、ちょっと、ハッとする。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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