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カテゴリ:和全般
青山の梅窓院で行われている「郡上踊りin青山」に行ってきました。
(6/18日(土) ・19日(日) 午後2時 ~ 郡上八幡物産展 / 観音堂にて 午後5時~8時半(最終日は7時半まで) 郡上おどり / 境内にて) 郡上踊りとは岐阜県の郡上八幡地方に伝わる踊りであり、一般的な地名度はあまりないかもしれませんが、国の重要無形文化財に指定されており、また全国三大民謡の一つでもあるそうです。 青山の浄土宗のお寺「梅窓院」は、郡上八幡城主・青山家の菩提寺として始まったそうで、そうした所縁から郡上八幡町との交流活動として、平成6年から境内で郡上踊りを開催しているそうです。 このお寺は、建て替えによりH15年に新本堂が完成し、お寺のイメージを裏切るモダンでスタイリッシュなビルになっています。 でも、門は当時のままの?古めかしい素敵な門で、竹の参道も別世界に誘う素敵な空間になっています♪ さて「郡上」といえば、着物好きの方なら「郡上紬」の名でおなじみ。 地方に伝わる素朴な紬を、宗廣力三さんという方が、全国に冠たる紬の一つにまで育て上げたものです。 村の人々の生活のために、郷土になんとか地場産業を興したいという一心で、無我夢中に奮闘された、私利私欲とは無縁の宗廣さんのお人柄は、初めに見出だし助言し続けた白洲正子さんの「衣匠美」等に詳しく書かれています。 そのほっこりとしたどこまでも素朴な味わい、草木染めの深い色あいは、派手さこそないものの、通の紬好きには垂涎の的。 手紡ぎ手染め手織りの由緒正しいお品は、今ではかなりのお値段がついており、私などには憧れの逸品の一つなのです。 ・・と、話が逸れました。 この青山のイベントにはここ三年ほど通っているのですが、何といってもこのイベントのよさは、純粋な踊り好きの世界と申しましょうか。 お祭りにありがちなテキ屋の屋台もなく、アンティックな提灯の明かりが点々とともる中を涼しい竹のトンネルを抜けて古めかしい門をくぐれば、そこは一面の踊る人、人、人の輪が幾重にも連なって、広場を埋め尽くしています。 老いも若きも、おじいさんから若い女の子も、地元から来た年季の入った浴衣姿のおじさんから、飛び入り参加の洋服姿の人まで。 曲は何曲かあるのですが、比較的単純な振りの繰り返しなので、誰でもすぐに覚えることができ、「皆で踊る」ことがこの踊りの身上なのです (私自身は「見る阿呆)専門ですが・・)。 そして、神楽の上のお囃子は、今では希少な生演奏! 年季の入った三味線に太鼓、拍子木が色を添え、名調子の喉をたっぷりと堪能できます。 雰囲気満点!伝統が今に生きる町ならではの妙ですね。 近年では謡い手が少なくなっているとか・・是非とも、伝統を受け継いでいってほしいものです。 人々の顔ぶれはといえば、地元からやってきた老若男女をはじめ、郡上踊りを愛する人々(熱烈なファンが多数存在する!)、私のような物見遊山の人々、踊りを習っているとおぼしき奥様方、青山のご近所の方、通りすがりの人々、etc.・・。 郡上からきた方々は、老いも若きも、板についた浴衣姿と、年季の入った洒脱な踊りで、すぐにわかります。 郡上では夏になると1ケ月ぶっとおしで踊りが催されているとかで、若者も年長者も、踊りに向かって一つになっている様が伺われ、日本の昔のお祭りってこうだったんだろうなぁ、と感慨深いものがあります。 若者は、エネルギーが有り余ったような若さあふれる元気な踊り、若者らしい力が漲っていて微笑ましいものがあります。 下駄の2本の歯がほとんど磨り減っていて、ここまで磨り減るには相当踊ってきたのだな、と感じさせます。 (2枚歯の下駄は、うまく交互に履かないとだんだん歯が斜めに傾いでしまうのですが、こんなに上手に平行にすり減らせていて、履きなれているのだなぁ、と感嘆・・!) そんな若者たちの力みかえった踊りも、年季の入った現地のおじさん、おじいさんの力の抜けた燻し銀のような踊りの前には、霞んでしまうのです。 歌舞伎でもそうですが、若い人の芸というのは余分な力が入りすぎていて、それが若さのエネルギーでもあるのですが、芸の味わいの点では到底年長者に適わないのです。 踊り好きの奥様方にも、たいへん手先の美しい方などがいらして、あの人踊りがなんて上手なのだろう・・と見惚れたり、人々の踊り観賞も楽しいものです (ホントは、眺めてないでどんどん踊りに参加するのが醍醐味なのですが、ね・・!)。 そして着物好きの私は、年季の入った年長者の浴衣姿を眺めるのがまた楽しい。 現地のおじさまおじいさまの、板についた浴衣姿の格好いいこと! 日本の中高年って、和服を着たほうが断然貫禄があって、大人の男の魅力を発揮できると思うのですが・・。 また踊り好きの奥様方の、素敵な浴衣、粋な帯、取り合わせや着付を観賞させて頂くのもまた楽し。 白地にくっきりとした藍染めが目に涼しくなんとも涼!あんなに素敵なのは、きっといい染なのだなぁ・・と思ったり。 やっぱり博多(帯)は古風でいいなぁ・・と改めて感じ入ったり。 「かま○ぬ」の判じ絵を染め抜いたご当地オリジナル浴衣の、デザインの見事さに感嘆したり。 やっぱり、夏の浴衣は白、藍、水色の型染めに適うものはない、ですね・・・! 境内では近所のお店が、出店で飲食品を販売しています。 現地の物産展も行われています。 紙の番傘が大、中、小と3サイズあって、格安でした。 小は子供用、中は踊り用ですが、最近は日傘に使われる方もあるとか。 伝統的なデザインに、ぐらっと心が動きました・・! 境内は文字通り、立錐の余地なしの大混雑、座るところもあまりないのですが・・。 (来たら踊れってことね・・!?) 毎年梅雨の最中に行われ、雨大丈夫なのか?と思うのですが、何故か当日はいつも快晴。 恐るべし郡上パワー・・。 そしてこの境内だけは、ビルの谷間に心地よい風が吹き抜けていくのです。 夕闇迫る中、提灯の下で踊る人並み・・・息をのむような、都会では一種幻想的な光景です。 来年も、絶対来ようっと♪ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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