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カテゴリ:KATS(自動売買プログラム)
今回は昨日に引き続き、自動売買をネタに私の思いを綴ってみます。
私はネットではなくリアルで知り合いの、ある男性とトレードの話をしています。 私より年輩で、会社の人ではありません。仮にTさんと呼びます。 Tさんはデイトレーダーで、本業ではないのですがザラバ中にそれなりに時間が取れるので 合間を見てトレードをしています。そして最近は戦績も良いらしいです。 今まで色々なチャートを試していましたが、今はRSI、RCI、DMIを駆使した方法で 買うべきタイミング、買ってはいけないパターンを見極めています。 監視するのは当日のランキング情報で、ランキング外から入って来た銘柄や ランキング内で順位が大きく変動するような銘柄です。 Tさんは私が自動売買プログラムを開発している事を知っています。 Tさんも究極は自分が今手動で行っている事を自動売買で出来たらどれだけ幸せだろう、と 思っていまして、私に自分のルールについて力説します。それをプログラムに組み込んで欲しい、と。 ちなみにTさんはコンピューターについてはインターネットやトレーディングツールを操作出来る ぐらいの知識で、プログラミングのプの字も分からない人です。 例えばTさんの説明はこんな感じです。 「RSIのこの線が青で、DMIの○○が赤で、RCIが水色です。青は比較的敏感に反応して 上がりますが水色がX%ぐらいまで一緒に着いていったらいい感じなんです。 でも、その時の赤色が2線の右にあったらそれは高値掴みになる可能性があるから買っては いけません。左にあったら買いです。」 こういう説明を数時間延々とし、その根拠となる(と本人が思っている)日中足チャートを何枚も 印刷して来て、これが急騰パターンだの、これは高値掴みになるパターンだの、というのを 教えてくれるのです(^-^; 教えてくれるのはとてもあり難いんですが、私にとってはあまり意味の無い説明に思えてきます。 だって、私はそのロジックをプログラムにする能力はないので。。。 自動売買には、向いているロジックと向いていないロジックがあると思います。 向いていないロジックの例として1つ目は、今回のエピソードにあるような「チャートの形など」を シグナルにするような場合です。 他にも例えば「ダブルボトムを形成してリバウンドを始めたら」「ある程度上昇した後、 押し目を付けたら」など、チャートの形を判断するもの。あるいは株価、その他指標の「推移」を 元に判断するものは非常に難しいと私は思っています。 チャートの現在値を計算する為に過去データの蓄積と複雑な計算が必要なものも多いですし、 さらには「どういうデータ値推移を辿れば押し目とみなすの?ダブルボトムと言えるの?」など プログラムで扱うには非常にファジーな判断材料です。 チャートの形をパターン認識するなんて事も非常に難しいと思いますし。。。 そういう意味で、推移を捉えてタイミングを見計らう方法よりも、断然現実的なのが スナップショット方式です。 ある瞬間に「株価が○円以下になったら」とか「出来高が○株以上なら」とか。 そういう、その時々の数値などによって判断出来るものならプログラムにしやすいでしょう。 なので、感覚的なルールで売買している人がそれをプログラムにする時には苦労すると思います。 普段当たり前のように直感的に考えている事が、プログラムにするとなると本当に色々な事を 考慮しないとマズいという事を身を持って分かります。 向いてないロジックの2つ目は、私も最近皆さんからのコメントを頂いたり本を読んだりして つくづく感じている事です。「検証可能なロジックであるか」という事です。 私がつい数ヶ月前まで運用していたKATSの購入ロジックの1つはやたらと複雑でした。 もう使わないと思いますが、どんなものだったか簡単に紹介します。 「購入するか?」の判断ロジックに入るきっかけは、株価の上昇です。 (1)その銘柄の購入必要額を計算。余力が足りなければ余力不足で買えない (2)一番安い売り板の気配値が無ければ買わない (3)歩み値4時刻(4つ前の約定時刻)がmだなければ歩み値が少なすぎる(寄り付き直後)ので買わない (4)株価が前日終値とS高の中間より高ければ高値圏なので買わない (5)現在値、歩み値1~3が順に上がっているか同値(下がっていない)で、現在値が歩み値3より 5%以上高くないと「急騰していない」とみなして買わない (6)この銘柄の購入余力を計算(当日のその銘柄の約定代金を余力から引き、購入後売れなくならない 余力を計算)し、余力が無ければ買わない (7)保有銘柄一覧を取得し、その銘柄を既に保有していたら買わない (8)VWAP乖離率を計算し、-3%を下回っていたら買う (8)以外の時は以下に続く (9)歩み値4時刻が現在値時刻より1分以上前なら「商いが少ない」と判断して買わない (10)株価が本日安値より2.5%以上高かったら買わない (11)VWAP乖離率を計算し、1%を超えていたら買わない (12)ここまでクリアしたら買う ・・・とまあ、最大12個の判断材料があって、やっと「購入する」と決まります。 この後、購入株数の計算を行ってから発注処理になります。 ちなみに判断ロジックに入ってから実際発注するまでの間は2秒は絶対掛かりません。 大体1秒ぐらいと思って良いです。 問題はロジックが複雑だから処理が遅いとかを懸念している訳ではありません。 要は「このロジックって結果出せるの?それとも勝てないロジックなの?」と言われた時に 誰が答えられるかって事ですよね(^-^; このロジックを動かす為に、楽天RSSでは1銘柄につき12項目の監視を行っていました。 そのデータがリアルタイムで残っていない限り、このロジックの検証は出来ないのです。 いくら頑張って数ヶ月データを取ってもせいぜい数銘柄でしょう。 このロジックの正当性を証明するなんてとでも出来ません。。。 なので、ロジックは出来るだけシンプルで、過去データをあさればそれを使って検証出来るレベルの ものにするのが色んな意味で優れていると思います。 今日はここまでにします(^-^; ご意見のある方はコメント宜しくお願いします! お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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