おきゅうと。
原料のおきゅうと草が九州北部でしか採れないらしく、結婚するまで見たことも聞いたこともなかった。店に並んだおきゅうと草をみると、ところてんの原料の天草に赤や薄茶の色がついている感じ。実は市販のおきゅうとは夫も食べたことがないそうだ。店に並んでいるおきゅうとの表示をみると、酢が入っていて、味 はところてんを想像してしまう。
おきゅうとはところてんより舌触りがぼそぼそしてて、素朴な味わい。といってもこれという味があるとは思えない。毎年義母が練ってきたおきゅうとだが、昨年からは私がおきゅうとを練る係りに昇格(笑)した。しかし、一年に一度じゃ毎回素人と同じ。何年やれば勘がつかめるかしらん。
初日はおきゅうと草を手早く洗って、ざるにあげたのをチマチマよって紛れ込んでいる別の海草や小さなカイガラムシみたいなのを取り除く。あらかた取り除いたら、平たい笊にひろげて天日干し。丸々二日干したら直径50センチ高さ10センチが、直径40センチ高さ4センチの塊に縮んだ。
お盆迎えの13日朝、直径20センチくらいの鍋にぴったり入るほどおきゅうと草を千切って、鍋に入れ水を入れる。30分水を吸わせてもう一度ヒタヒタに水を入れて、火にかける。時々かき混ぜるが、沸騰してから5分たったくらいからずっとしゃもじで練って、とろとろになるまで煮溶かす。どのくらいとろみがついたら火を止めるのか、この加減がわからない。義母に何度も訊いてしまった。
OKが出たら、水でぬらした型代わりのアルミの弁当箱~蓋と本体両方に流す。これはダンナが中学のときから生き残っているそうだ。蝿帳をかけて粗熱が冷めたら型からはずし、ラップしておく。食べるときに5×1センチほどに切って、すりゴマを振って醤油をたらして食べるのが我が家流。
仏さまのお膳にも、盆参りの親戚にもちょこちょこと出すが、ほいほい言って食べる人は少ない。義父と私だけみたい(笑) (今年はお客様が少なくて、一度練っただけでお盆も終わってしまった…)