記憶の重箱11
「Turbo」さて、悪趣味なジャケットデザインはここまで続く。といっても、この後も結構ダサダサなジューダス・・・。前作から引き継がれたジャケットデザインのテイストは、音の方にも表れている。「Screaming for Vengeance」「Defenders of the Faith」「Turbo」は、音的には3部作とひとまとめにしてもいいと思うのだが、世間のファンからは賛否両論のこのアルバム・・・ギターシンセを使っているという音づくりの姿勢が問題となっているようであった。全体にややポップになっている曲調もその批判の対象になっているようだ。しかし、3作を聴き通してみると共通したジューダスのアイデンテティというものが感じられるのである。ここにいたってジューダスのジューダスらしさが確立された名盤であると思う。叙情的ハードロックから、硬質なヘヴィメタルへと移り変わってきたジューダスの到達点であろう。時は既にCDの時代になっており、もしも、デジタルな音づくりをもっと突き詰めて行く課程で、プログレやインダストリアル、あるいはインプロビゼーション的な音へとジューダスが向かったとしてもそれは、それで、きっと正しいことなのだ。それは、この後スラッシュメタル路線へと向かってゆく。