三つ子の活字中毒百までか?

2011/12/13(火)23:56

夜果つるところ 最終話 恩田陸

小説すばる2011年(187)

小説すばる2011年12月号 夜果つるところ 最終話 恩田陸 私は山中にある娼館「墜月荘」で育った。 そこには三人の「母」がいた。 私を生んだ「実の母」の和江は正気を失っており、 日がな一日鳥籠を見て暮らしている。 「育ての母」の英子は、毎日のように 勉強を教えてくれたが、時折あやつり人形の糸が 切れたようになった。そして「名義上の母」の文子は、 館のしきたりを教えてくれたが、表情に乏しい女性だった。 私は誰に対しても距離を感じ、自分の母親だとは思えなかった。 (小説すばる12月号より転載) 娼館・墜月荘の不思議な話も最終話です。 「私」が墜月荘で見聞きした話が主で、 舞台もほとんど墜月荘のみという、 限定された空間で展開する話でした。 全てが夢のような話でしたね。 どちらかというと悪夢の方ですが。 最終回は、あっと驚く秘密が二つ明かされます。 なるほど、このような背景があったのですね。 これを知ると最初から読み返したくなります。 怖いのだけれども、先が見たいような、 不思議な感覚の小説でした。 ホラーでもないし、スリラーでもないし、 なんと言えばよいのか分かりません・・・ 万人受けするとは思えませんが、 読むと迫力に圧倒されることは間違いないです。 【送料無料】小説すばる 2011年 12月号 [雑誌]

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