全て
| カテゴリ未分類
| ちょっと笑える話?
| 近未来の話
| ちょっと怖い話
| ありそうな話
| 詩
| 四方山話
| 読みきりショートショート
| 続きものショートショート
| フォトエッセイ
| 目からウロコの日本語講座
| 恋愛小説
テーマ:ショートショート。(573)
カテゴリ:ありそうな話
横たわっていた。 昨晩、クラブで踊り明かし、持っていた お金もほとんど使い果たしてしまった。 それに、少し飲み 過ぎた。 店を出て夜の街を彷徨っていた私は、降り出した 雨を避けてビルの駐車場の片隅でうずくまっていた時に、 一人の男に声を掛けられた。 行くところのない私が断る 理由もない。 別にこんなこと初めてじゃないし、踊り疲れて シャワーだって浴びたかった。
それにしてもすごいな。 こんなに広い部屋に住む人って いったいどんな人なんだろう。 隣に眠る彼はどこかで見た ことがあるような気がするけれど、今までの経験からすると、 大きな声で言えるような職業の人ではないと思う。 こんな ゴージャスなベッドで寝られるなんてめったにあることじゃない。 清潔なシーツが気持ちいい。 せめて、もう少しだけこうして いたい。 プチ家出も楽じゃない。 いい子にしていれば2,3日 置いてもらえるかな。 彼の都合もあるだろうけど…。
の片隅で、子猫のようにうずくまっている彼女を拾ってきた。 すごいな。 こんな近くに、若い女の子がいるなんて何ヶ月ぶり だろう。 彼女、僕の顔を知らなかったのかな。 酔っていたから 気が付かなかったのかもしれない。 そういえば、最近随分体重 も落ちたし…。
ここにはスポーツクラブはあるし、食事だってケータリングを 頼めば何だって揃う。 一瞬にしてパーティ会場が出来上がる くらいだ。 仲間だってたくさんいるし、本だってたくさんある。 寂しい思いなんかしていない、と言いたいところだが、やはり 若くて綺麗な女性たちが集まってくることは、今ではほとんど なくなった。 せめて、もう少しだけ彼女をそばにいて欲しい。 ヒルズ生活も楽じゃない。 このまま2,3日いてはくれない だろうか。 彼女の都合もあるだろうが…。
お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
[ありそうな話] カテゴリの最新記事
|