今年6月、ソウル市内の地下鉄で愛犬の糞を放置したまま姿を消した女性の顔がインターネット上に公開された「犬糞女事件」をめぐる議論が米国にまで広がった。
アメリカの有力紙ワシントンポストも取り上げた。
「市民メディアとしてのインターネットの威力を見せると同時に、ネットの未来に対する宿題も共に投げかけている」と報じた。
「同事件は、自分の愛犬の後始末は自分ですべきだという、大半の人々が同意する規範をあつかっている」
「大半の人々は、インターネットを社会監視の新しい道具として使うことに賛成しているが、それが行き過ぎないように、適正な水準を見いだすべきだとのことにも同意している。」
即ち、「個人の規範違反に関連した記録を永久に保持することは、デジタル版『緋文字』も同然で、その人に烙印を押すことになり、社会的な制裁を全く新しいレベルに押しあげたものだ」と報じている。
( 『緋文字』とは清教徒の法律によって、姦通を犯した印として胸に緋文字を付けた女の生涯を描いたアメリカ文学上の傑作のこと。)
「この事件は、15億人がオンラインでつながれている時代には、かつての国家とは異なり、近所の人々や地下鉄の人々が『ビッグブラザー(監視者、独裁者)』になるとの点を教えてくれた事例だ」と指摘している(2005.07.08 中央日報等)。
インタ-ネットは今までのテレビやラジオのように一方的に情報を押しつけらるメディアではなく、誰でも自由に自分の思いや意見を発信することができる。
公権力や巨大マスコミによる歪曲報道に良識のある一市民が異議を述べる発信手段として利用価値が高い。
愛犬のノ-リ-ド問題やドッグフ-ドの原料問題だけを取り上げても、公権力や業界がコンプライアンス(法令順守)の意識がないことがわかる。今までは、一方的に歪曲した情報を国民に押し付けることが容易だったからだ。
多くの国民は一方的に流される風説風評を安易に信じ、それが国民の常識になった。
ドッグフ-ドメ-カ-が意図的に流している「犬には人と同じ食べ物や鶏の骨は食べさせてはいけない」ということはその一例だ。
愛犬のノ-リ-ド問題についても、各都道府県条例に係留(リ-ド)の例外規定があることを市役所の公園管理者は故意に隠している。条例に違反するル-ルを勝手に作り、市民に強要している。コンプライアンス(法令順守)の意識がなく悪質だ。
そういう毒された風説風評や歪曲報道に一般市民が対抗するには、インタ-ネットはありがたい情報発信手段だ。世の中が浄化される。
しかし、物は使いようで危険な物になる。上記の「犬糞女事件」はその一例だ。
人権侵害や名誉毀損問題が起こる可能性が高い。正しく使わないと、危険だ。
「気違いに刃物」という。「暴走族にバイク」、「ブログ荒らしにパソコン」と思っている。有用な機器も使う人によって危険な機器になる。