環境省は5日、国立公園と国定公園の特別保護地区で、動物を逃がしたり、植物を植えたりすることを全面的に禁止する方針を決めた。同地区では、動植物だけでなく、落ち葉や石まで一切の採取が禁止されているが、持ち込みに対する規制はなかった。
石川県の七ツ島大島(能登半島国定公園)で、ペットのウサギが自然繁殖してオオミズナギドリの繁殖地を破壊したり、北海道の羊蹄山(支笏洞爺国立公園)に、本来自生しない高山植物のコマクサが移植されたりするなどの問題が生じていた。
犬などペットを綱でつながずに連れて入ることも禁止する(読売新聞05/10/6)。
国立公園は普通地区、特別地区と特別保護地区の3つに区分されており、普通地区と特別地区で87%を占め、特別保護地区は13%だ。
イヌワシ、オオタカ、ライチョウなどが生息している北アルプス特別保護地区や稀少な高山植物がある日光国立公園特別保護地区などがある。日光国立公園の中に占める特別保護地区の割合は7,1%だ。尾瀬ヶ原や尾瀬沼はその中に含まれる。
秩父多摩甲斐国立公園に占める特別保護地区の割合は、わずか3%だ。
環境省が動植物の持ち込み禁止を検討しているのは、その特別保護地区のことだ。国立公園や国定公園全体のことではない。つまり、国立公園の87%を占める普通地区と特別地区は今回検討している規制の対象外だ。愛犬も綱でつながずにノーリードで連れて行けるということだ。
改正案の条文は「遭難者の救助に係る業務を行うために犬を放つこと」はよいが、それ以外の犬はリードをして、放ってはならないと規定している。
つまり、リードをすれば、愛犬は何処の国立公園にも自由に登山ができる。普通地区や特別地区にはノーリードでも登山できるということだ。
それなのに、従来、観光登山業者などが、《国立公園なので、犬の登山を禁止する》と平気でウソを言っていた。騙された愛犬家も多いだろう。
我が国の法律に愛犬との登山を禁止する法律はない。国立公園を規定している自然公園法にも森林法にも犬の登山を規制する条文はない。
尾瀬では遊歩道の犬連れ登山者の歩行を環境省名で禁止している。法律違反だ。環境省の職員はコンプライアンス(法令順守)の意識はあるのか。環境省は法律違反を平気でやる役所なのか。
法律によらず、国民の権利を抑制するのは無法国家か独裁国家だ。
我が国は法治国家だ。にもかかわらず、一部観光旅行業者や登山業者が国民の権利を制限しており、環境省の出先機関が荷担している。
詳細は「
愛犬と登山の法律 国立公園犬は登山禁止?」 に記述してある。
環境省は自然公園法施行令と自然環境保全法施行令の改正概要案を公表し、この案について平成17年11月2日まで意見募集を行うことにしている。
その改正概要案の中に犬については「遭難救助業務を行う犬を放つこと」以外の犬については綱でつながずに連れて入ることを禁止するとあるが、賛成だ。リードすれば済むことだ。
環境省に望むのは、従来のように、「犬の登山は禁止ではありません。自粛です。」と言ういい加減なことを国民に押しつけないことだ。
法律に基づかない役人による恣意的な行政指導は百害あって一利無しだ。
観光旅行業者や登山業者と結託し、その賄賂接待付け届けを期待した私利私欲の行政指導になる。
日本は法治国家だ。法律に基づかない恣意的な行政指導は、大多数の国民に取って迷惑千万だ。喜んでいるのは癒着業者だけだ。
東京の公園で会った愛犬達の写真集です。お時間のある方はどうぞ。

公園でノーリードで遊ぶ愛犬たちや珍しい愛犬たちの写真集
