2017/11/30(木)10:12
^-^◆ 車中で輝く天使のような幼女
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(revival・renewal)
過去に、リバイバルで3回もアップしたブログですが
最近も宴席でこの記事の話題が出されて
リクエストされました
4回目のRenewal UP致します
<平成の初めの頃の体験です>
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列車の中はあまり混んではいませんでした。……休日です。
3歳くらいの可愛い女の子が、
電車の中をウロウロと歩き回っていたんです。
少し向こうの席から「危ないよ、こっちにおいで」という、
多分母親らしい声はしますが好奇心の強い子供のこと、
聞くものではありません。
それでも、誰も席を立って来る訳でもないので、
きっとこの子は普段から自由にしているんだろうな……、
……等とドアに寄りかかりながら思っていました。
丁度反対側のドアの所に、年の頃なら67、8の
素敵な白髪の紳士が立っておられたのですが、
その女の子はその側に行くと、しゃがみこむ様な……、
幼児がする独特の中腰の姿勢で、下から見上げはじめました。
よく見ると紳士が花柄の包装紙に包んだものを提げています。
どうやら花の様で、その子はその花を覗いていたんです。
何度も何度も足場を変えるような仕種をして覗き込んでいます。
あまりにその仕種が可愛らしいので、
立っている回りの人の顔に笑みがこぼれました。
ややあって、紳士がその子に気付きました。
目と目があって、紳士はにっこりと笑いました。
お孫さんをお持ちなのでしょうか、その笑顔は、
とても自然で優しさに満ち溢れたものでした。
その子は目が合った瞬間身を固くして、
2、3歩下がりましたが、紳士の笑顔を見て、
又、花を覗き込みました。
紳士は花束を持ち変えると一輪右手で摘み取って、
その子の小さな胸のポケットに刺しました。
花の名前は知りませんが、
赤いカーネーションに似たような花です。
その子は、にっこり笑って左手で花を押さえたまま、
膝を曲げ上体を横に曲げるような仕種をしました。
私には、おじぎに見えました。
その子がお礼のお辞儀をしたように見えました。
大きくうなづきながら微笑む紳士。
その子は、さっときびすを返すと、
少し揺れが激しくなった車中を、右左にステップしながら、
ひとつ向こうのドアの方の席に去っていきました。
多分、身内の人に、花を見せに行ったのでしょう。
向こうの座席から、60前後位の女性が立って、
紳士の方に会釈をしました。
おばあさんだったようです。
車中の空気が明るくなったような感じです。
他愛も無い日常の光景なのですが…………。
次の駅に電車が入る直前、その子が再び紳士の所に現れて、
何か差し出しました。
……どうもガムの様です。
それも子供向けのオレンジか何かのガムを、
ひとつ紳士にあげようと言うのです。
花のお礼でしょうか。
おばあさんが薦めたのでしょうか。右手を高々と掲げて、
紳士が受け取るのを促しているその子の顔は、
天使のように輝いていました。
もちろん、
しゃがんでありがとうと言って紳士が受け取ったのは当然です。
紳士も同じように蛭子様の様な笑顔でした。
車中の空気が一辺にだいだい色になるのを感じました。
人の原点を、極めてほんのりとシンプルに見せて貰ったような、
そんな気がして、
しばらく自分の心がとても和んでいるのを自覚したのです。
列車には、車とは又違う、数々の出会いがあります。(^。^)
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