山の日は筑波山に!
昨日11日は「山の日」ということもあって、思い立って筑波山に登ってきました。日帰り登山なので、あまり高い山は無理です。むかし父が良く話していた筑波山のことを思い出し、Google mapを調べると、2時間程度でいけそうです。そうはいっても筑波山といえばれっきとした深田久弥の日本百名山のひとつです。唯一標高1,000m以下の百名山ですが、関東平野にぽつんと独立している立派な山です。山頂を含めて筑波山の山体の大部分は硬い「斑れい岩」と呼ばれる深成岩によって作られているそうです。難しい話はさておき、そのような成り立ちゆえ、当然多くの希少植物も存在するということになります。筑波山周辺には、絶滅危惧種や希少種に指定されている植物も多いそうです。そうとなれば、登らない理由はありません。ぜひ多くの植物を見てみたいという好奇心に駆られたというのが最大の理由です。 < 筑波山山頂(女峰山877m)に立つ >朝6時半に駅からJRに乗り、武蔵野線経由で南流山からつくばエキスプレスに乗れば、つくば駅まで行けます。つくばセンターから筑波山行きのバスに乗ったら、筑波山のふもとに着くことができました。筑波山は双二峰です。標高877mの女峰山と、標高の男体山を合わせて筑波山と称しています。女峰山へはロープウエイが、男体山へはケーブルカーが通っていて、労せずに頂上付近まで行くことができます。 < 開業57周年の記念ボールペンをいただく >さすがにこの暑さの時期には877mでは地上気温から6℃くらいしか下がりませんので、登りは無理をせずにロープウエイを使うことにしました。女体山側ふもとの「つつじケ丘」(バス終点)から出ています。片道630円の切符を買っていざ出発。改札で筑波山ロープウエイ開業記念(57周年)のボールペンをいただくことができました。開業が8月11日だそうで、その記念行事で先着500名に配布したことをあとで知りました。約6分で山頂駅に着きました。山頂駅はすでに標高840mです。すぐ北側に登山道が伸びており、あっというまに標高877mの筑波山山頂(女峰山)に上がることができました。途中にコバギボウシが多く咲いていて、うれしくなります。 < 女峰山山頂にある方位版 >山頂直下に立派な女峰山ご本殿があります。山頂は岩稜体で、数名の人たちが楽しんでいました。独立峰なので、360度の視界です。遠く富士山の姿が見えます。 < あちこちにたくさん咲いているコバギボウシ >ここから男体山に向けていったん鞍部まで下ります。登山道は前日の雨で少しぬかるんでいるところがありますが、両側には多くの草花が咲いています。シモツケソウ、コバギボウシ、ヌスビトハギ、キンポウゲ科の黄色い花、キンミズヒキ・・・ < 登山道に咲くヤマジノホトトギス >ヤマジノホトトギスの花を見つけました!今年は開花の時期が早い気がします。写真を撮っていると、登山者が声をかけてきました。”何のお花ですか?” ピント合わせに四苦八苦でしたので、受け答えが雑になっていました。申し訳ないことをしました。花が次々に登場するため、写真を撮るのに歩みを止めます。なかなか先に進めません。あまり多くはないだろうからと、一眼レフではなく、コンパクトカメラを持ってきたのですが、コンパクトカメラではなかなかうまく撮れずに時間かかってしまいます。 < 湿った岩場に多く咲くイワタバコ >ちょっと湿った岩場に咲く、人気の山野草イワタバコがいくつか咲いていました。下側に葉っぱが垂れ下がるように生えるのが特徴的です。しばらく進むと、開けた場所に出ます。双二峰の鞍部にあたります。多くの花が咲いていて、うれしくなります。ふと、ヒヨドリバナに目をやると・・・いました! アサギマダラです。のんびりとお食事中です。 < ヒヨドリバナで吸蜜中のアサギマダラ >鞍部には「コマ展望台」という建物があり、周辺にはなんと土産物店がいくつか並んでいます。さすが観光地という感じです。ここから再び登り返して男体山に登ります。エゾゼミでしょうか、独特の声が響いています。こちらも山頂(871m)には男体山のご本殿が同じようにあります。どちらにもお参りしました。 < 鞍部から男体山方面 > < 男体山からの眺め >男体山の山頂標識はなく、柵がかかった少し広めの展望場というだけですが、富士山は見えました。男体山山頂にはホシザキユキノシタという、この山にしかない植物(絶滅危惧Ⅰ)が自生しているのだそうですが、見つけられませんでした。調べたら6月頃に花をつけるようで、この時期にはもう見られないようです。付近で見つけたイワタバコのお隣に、偶然にもホシザキユキノシタと思われる株の葉っぱが写っていました(下の写真中央上部)! < イワタバコの写真にホシザキユキノシタが写っていた! >山頂を楽しんだら、下山です。広場のある御幸ヶ原に降りたら、ここから下山は歩いて下りました。最もメジャーは御幸ヶ原コースで下ります。しばらく階段状の登山道を下っていきます。何組もの登山客があがってきます。皆汗だくではあはあ言っていますので、この時期は登りは大変だとあらためてRW使ってよかったと思いました。しかし・・・長い長い下りです。それもそのはず、男体山のふもとの筑波神社の標高は305m(宮脇ケーブルカー駅)です。つまり566m下らなければならないわけです。 < ひっそり咲いていたシロバナミヤマタムラソウの花 >途中で小さな花を見つけました。どうもシロバナミヤマタムラソウのようです。一株だけ、白い可愛い花を4つほどつけていました。気が付かない場所にそっと咲いていました。ちょっと得した気分です。1時間半ほどでしょうか。ようやくケーブルカーの起点である宮脇駅に到着。無事に楽しめた筑波山に一礼です。帰りに筑波山神社にお参りして(なんと、御朱印いただき忘れたことに今気づきました。たいがいこういう場合にいただいてくるのですが・・・)、帰路につきました。 < 無事の下山を筑波山神社にお礼して・・・ >暑かった、夏は下山も甘く見てはいけない。それでも素晴らしい山でした。また春に来てみたいと思いました。(オオバギボウシ⇒コバギボウシ、ヤマホトトギス⇒ヤマジノホトトギスに修正しました)