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2016.08.07
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カテゴリ:スポーツ
 リオデジャネイロ五輪・第2日の6日(日本時間7日)、柔道女子48キロ級で近藤亜美さんが、男子60キロ級で高藤直寿さんが銅メダルを獲得しました。


メダルおめでとうございます!



 リオジャネイロ五輪における日本選手団のメダル第1号は、やはり柔道女子48キロ級の近藤亜美(21、三井住友海上)だった。
 しかし、その色は柔道家として当然の目標にしてきた金ではなく、銅ーー。
「ほんとに悔しいです。オリンピックは、(他の大会と違って)選手が目の色を変えて戦ってくる。銅メダルは……あまりうれしくない」
 2回戦から登場した近藤の相手は、エドナ・カリージョ(メキシコ)。当初、マークしていたトルコ人選手がカリージョに敗れ、予期していなかった選手の勝ち上がりに試合序盤の近藤は動きが固かった。それでも試合終盤、得意の寝業に持ち込み、抑え込むと、相手は戦意を失った。
 準々決勝は強化が著しいモンゴルからカザフスタンに国籍を変更して五輪に臨んできたオトゴンツェツェグ・ガルバドラフが相手。近藤は先に裏投げで「技あり」を奪われてしまう。しかし、残り時間が1分を切ったところで、内股から寝業に移行し、横四方固めで「一本」。大逆転で予選ラウンドを勝ち抜いた。
 一度、窮地を経験した選手が、その次の試合以降に調子を取り戻して波に乗るようなことはスポーツの世界ではよく起こることだ。近藤の場合も、優勝候補と目されていた選手の敗退が相次いだこともあり、金メダルに向けて舞台は整っていた。
 ところが、準決勝に落とし穴が待っていた。昨年の世界選手権を制しているベテランのパウラ・パレト(アルゼンチン)は、北京五輪から活躍(銅メダル)し、百戦錬磨のベテランである。スピードがあって受けも強い近藤なら与しやすい相手だろう。パレトは背負い投げ一辺倒で単調な柔道をするが、その背負い投げで近藤の身体が宙を舞う。試合序盤に失った「技あり」ポイントを、最後まで取り返せなかった。
「(投げられた場面は場外を気にした?)気を抜いたわけではないです。パレット選手の背負い投げが優れていたとしか言えない」
 敗れた瞬間、大粒の涙が頬を伝う。コーチ席に座った所属先の先輩である上野雅恵に肩を抱かれ、控え室に戻っていく。ショックが大きく、近藤は呆然となっていた。銅メダルがかかる順位決定戦までは中2試合。時間にしてせいぜい15分である。その時、パレトのコーチが近藤に歩み寄ってきた。
「『メダルがあるのとないのとではまったく違うから、獲りにいかなきゃダメよ』とわざわざ言いにきてくれて。しっかりやらなきゃ、と思いました」
 気を取り直した近藤は13年リオ世界選手権を制したウランツェツェグ・ムンフバット(モンゴル)に残り0秒となって有効を奪い、銅メダルに輝いた。
 48キロ級は女子柔道の看板階級で、シドニーとアテネで金メダルを獲得した谷亮子だけでなく、2番手、3番手の選手も世界女王に匹敵するような実力を誇ってきた。しかし、北京から3大会連続で金メダルに届かなかった。
「48キロ級は日本がずっと先頭を走ってきたんですけど、見てもらったらわかるように、日本はまだ3番手。4年間、しっかり練習を積んで、ひと皮ふた皮むけて東京に臨みたい」
 同時に開催された男子60キロ級でも金メダルを期待されていた高藤直寿(23、パーク24)が準々決勝で一本負け。順位決定戦を勝ち上がり、近藤に続いて銅メダルを獲得した。
「自分のなかで五輪をすごい怖いものだと作ってしまっていたかなと思います。負けるまでは完璧でした。負けてからはぼろぼろでしたけど……。絶好調で負けたから、言い訳はできないなと思います」(高藤)
 試合後、女子の南條充寿監督は「切り込み隊長として最低限の戦いはしてくれました」と近藤の戦いぶりを評価し、男子の井上康生監督は「高藤は私に『金メダルを第1号としてプレゼントする』と言ってくれていました。色は違えども、第1号のメダルを僕自身にプレゼントしてくれたことに対して、誇りに思っております」と労った。
 両監督の言葉を聞いて思い出したのは、4年前のロンドン五輪だ。大会初日、女子48キロ級の福見友子が5位、男子60キロ級の平岡拓晃が銀メダルに終わり、金メダルをひとつも獲得できなかった。その日、当時の篠原信一男子監督と、吉村和郎強化委員長は、表彰式を見ることなく宿舎へ戻り、翌日になってようやく選手に労いの言葉をかけたという。私は両者のこの横暴を問題視して記事にした。
 日本の柔道家は、男女ともに金メダルしか目指さない。その気持ちを誰より理解しているはずの指導者こそ、不本意な結果であったとしても選手の健闘を讃え、試合までの過程を誰より労ってあげるべきだ。
 女子柔道界のパワハラが問題になるのはこの年の末だが、4年前の柔道界にはオリンピックの現場にさえ、男女の選手に対するパワハラが存在したのである。ロンドンでは男女を通じてわずか1個の金メダルしか獲得できず、柔道母国の威信は失墜した。
 4年前の状況からすれば、選手の首脳陣に対する信頼も厚く、両監督を中心にチームとして柔道母国の再建に向かっている。金メダルがゼロのスタートにも、前回ほど悲観する必要はないのではないか。

 (文責・柳川悠二/ノンフィクションライター)

引用:近藤&高藤の銅メダル会場に見えた日本柔道復活の兆し?! THE PAGE / 2016年8月7日 12時0分


 リオ五輪は始まって、遂にメダルが出ましたね。2人ともメダルを獲得したとはいえ、金メダルに届かなかったことで悔しさを語っていましたが、個人的にはメダルを獲れただけでも凄いと思います。おめでとうございます!

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最終更新日  2016.08.07 16:40:45
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