2015/02/25(水)20:21
会津の不思議な薬師堂
【会津の不思議な薬師堂】 この薬師堂のことは、何回もここでご紹介してきました。扁額には確かに「薬師如来」と彫られています。そして、中に祀られているのは間違いなく薬師如来です。これだけであれば、何の不思議もないのですが、このお寺は曹洞宗のお寺です。そして、このお寺の境内にはこの薬師堂以外に、観音堂も建てられています。 最初にこのお寺を訪ねたのは2001年でした。それ以来、何度もここを訪ねていますが、曹洞宗のお寺の境内に薬師堂と観音堂が建てられている不思議さを解決できていません。勿論、『新編会津風土記』などの史料には、その不思議さを解決してくれることは記されていません。 また、こうした不思議なことがあるのは、会津だけではないのですが、それらに関する不思議なことが記されている文献に出会ったことがありません。また、会津に関わるお寺で、臨済宗のお寺があるのですが、そのお寺にある観音菩薩像を模して彫られたという「夕顔観音」を高遠へ持って来て祀ったのですが、そのお寺は臨済宗ではなく真言宗のお寺です。そしてその境内には、保科正之公の頌徳碑とお静の方の供養塔として建てられた五輪塔が境内に建てられています。そういえば、あの五輪塔にはお静の方の戒名が彫られているのですが、戒名の下に「淑霊」と彫られています。 こうした細かいことを一つ一つ並べていくと、会津のキリシタン史がはっきりと見えてきました。勿論、『会津藩家世実紀』の記録などは十分に参考になります。『会津藩家世実紀』は第八代会津藩主・松平容衆に読んでいただくために編纂された記録文書集です。