会津キリシタン研究所

2015/04/29(水)20:22

秩父の金昌寺

キリシタン(16134)

                【秩父の金昌寺】 これも一昨日、金昌寺を訪ねた時に撮った写真です。首無し地蔵ですが、両手で小さな五輪塔を捧持しています。信州や武州では、初期のキリシタンは墓石として五輪塔を建てていたように見えますが、武州のあるお寺には、地蔵菩薩石仏の背後に五輪塔が彫られているものがあり、ここでもご紹介したことがありました。 また、金昌寺では首無し地蔵は山の斜面から石像が倒れて落ちた時に、首が落ちたとされているようですが、小生はそうは思えません。石鑿で首を落としたとしか思えません。農家には、必ずと言っていいほど石鑿があります。田圃や畑から大きな石が出てきた時に、それを割って取り出すためです。亡母の実家でサイロを造る時に、少し大きな石を伯父たちが石鑿で割っているのを見たことがあります。 そして、会津のある村に、最近になって首が落ちてしまった首無し地蔵があるのですが、それは石屋さんで倒れて首が落ちてしまったものだと、村の方が教えて下さいました。コーキング剤で修復されていましたが、切断面はこの首無し地蔵のように平らにはなっていませんでした。 あるいは、都心や都下に残っている首無し地蔵を考えても、倒れて首が落ちたとは思えません。「廃仏毀釈」という言葉を使いたくなかったのかもしれません。ただ、明治初期にはもう、この地蔵菩薩石像がキリシタンのものであることは判らなくなっていたのであろうと思われます。

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