2006/01/23(月)01:53
フリップ&イーノ 次のWINDOWSの起動音はこの中にある
キング・クリムゾンの活動停止中のロバート・フリップがロクシー・ミュージック脱退したイーノと、マッチング・モールの2NDアルバム「リトル・レッド・レコード」のレコーディング中に知り合い意気投合して作られた第一弾「ノー・プッシーフッティング」(左)その翌年にレコーディングされた「イブニング・スター」(右)の二枚。
全体的に掴み所のないポワーンというようなギター音やシンセの単音の繰り返しでまともに聞こうとしたらイライラするか疲れるだけだと思う。自分は執筆中のBGMとしてイーノのソロアルバムはよく聞いていたが、このフリップとのコラボの二枚は避けていた。仕事の質にもよるが効率を求められる仕事のBGM向きとはいえないな。「イブニング・スター」というタイトルから夜向きかというとそうでもなくむしろ朝まだ意識が朦朧としてはっきりしないときにこのCDを聞いていると「はやくシャキッとしなきゃ・・・」と思うことがあったので、そういう聞き方、使い方の方が正しいのかもしれないな。
特に、「ノー・プッシーフッティング」には人間よりも猫のほうが異様な反応を示すようで、あるとき、レコードから落としたテープを流していたら部屋の窓から見える屋根の上で日向ぼっこをしていた猫どもが次々むくむくと起き上がり互いに顔を見合わせ不快感を露わにしてその場を去っていったのである。猫害にお悩みの方にはお奨めの一枚である。
20数年前、イーノのビデオアート展が赤坂で行われたときにイーノ自身の講演会があった。そこでイーノは黒板を使ってこの「不規則性という偶然がもたらす音楽」ついて珍しく熱弁をふるっていた。そこで彼がモチーフとして例にあげたのがこのフリップとのコラボによる二枚のアルバムのことだったのである。
それから10年後、WINDOWS95という世界的にバカ売れしたOSの起動音を手がけたのはほかの誰でもなくこのイーノであった。再起動を繰り返しあの音を何度も聞いてて不快になった人も多かろう。自分はあの時の猫どもを思い出した。
で、今自分のところにとんでもないニュースが飛び込んで来た。(矢追純一かよ)次のWINDOWSの起動音を手がけるのが一方の雄ロバート・フリップだというのだ。ああ、今すでに自分の耳にはあのギターのヒョロロローというという新しい起動音が鳴り響いてしまった。
いまからこの二枚のCDを聞いておき、新しいWINDOWSの起動音に慣れておくというのはどうだろう?損はしないと思うが。するかやっぱりw