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テーマ:最近観た映画。(40012)
カテゴリ:映画・ビデオ・DVD
ネタバレというほどでもないのだが、なるべくなら未見の方は避けてください。 自分の感想を言えば、よく出来た娯楽映画であったし、泣けたところもあった。 そして爆笑したところもあった。お勧めの映画である。
貸しビルのオーナーが岩崎(渋川清彦)の行動を怪しんで警察に通報したからでしょう。つまり警察(警察庁の佐々木)が岩崎に対してコンタクトをとったのは青柳が荷台に隠れているあいだだったということでストーリーの整合性は崩れないと思います。まあ岩崎をゆするネタぐらいはいくらでもあるのでは。 凛香(貫地谷しほり)は何故あそこに青柳が来るとわかったのか。 わからない。たしかに保土ヶ谷(柄本明)と情報を提供してきた整形外科医のあいだにつながりはない。しかし、青柳が整形外科医に電話で連絡をしたシーンのあと相当時間的に省かれているので、たまたまではなくて、整形外科医と連絡をとった凛香は相当長い間、岸の向こう側で待機していた可能性の方が高いのでは。 これ以外にもたくさんの質問やら疑問をぶつけられているのですが、一回見ただけなのでとてもではないがそのすべてには答えられない。 自分は劇場で映画を見ることに対してはさほどおっくうではない。数年前までは仕事で月に十本以上二十本近い映画を映画館で観ていたような人間である。 しかし、映画を観るのが仕事ではなくなり、仙台に移住したことで「映画を観る」ということに心理的な大きな壁を感じている。 まずなんにしても仙台の中心部から映画館が次々と消えたことがある。とてもではないが、「仕事帰りについでに映画館に寄る」という環境ではなくなった。 この「ゴールデンスランバー」もそうだった。自分は朝から「今日は映画を観にゆく」と決めてから出かけなければならなかったくらいだ。 というのも、仙台市内近郊で「ゴールデンスランバー」を上映している映画館、施設は五ケ所もあるのだが(地方にしては恵まれているほうだろう)、どのすべてもが自分の行動範囲からみごとにはずれているのだ。 そしてそれはやはり自分だけではなくて多くの人たちが抱えている悩みでもあるわけだ。 そういう要因が映画衰退の大きな一因でもあるはずなのだが。結局自分は家からは一番離れている長町のシネコンでこの「ゴールデンスランバー」を見ることになった。これがこの「ゴールデンスランバー」という映画でなければ、自分はわざわざここまではしなかっただろう。 映画館を出ると、表は雪であった。 この映画を映画館で見たという人から「わかりにくいストーリーだ」とか「無茶苦茶すぎてついてゆけない」というような不評を耳にする。 まあ確かに一筋縄ではゆかない映画ではあるが、皆がいうほど設定が無茶だとかストーリーが破綻しているというわけではない。 ただこれは言えるだろう。見る側にひたすら「映画を見ながら、そして同時に考える」ことを強いるような、そういう内容ではある。 そこが「ついてゆけない」と途中で「考えること」を放棄してしまう観客を産んでしまう原因なのでは。 もうひとつ、この映画に注文を言うとすると、作る側が用意した「わらいどころ」が弱かった。笑いが不発のまま、観客には伝わっていないところがいくつもあったのは残念である。 たとえば、岩崎によって荷車に載せられてダンボール箱の中に隠れた青柳がトラックの荷台に飛び移るところや、両足を複雑骨折して入院中のはずの保土ヶ谷が突然車椅子を降りてスタスタと歩き始めるところなどはレッドカーペット的に言えば「大笑い」だ。 なのに、観客の反応はというと、ところどころから「クスクス」という忍び笑いが漏れる程度の不発状態なのである。 もしかすると、この映画を映画館に見に来た人たちはの多くは、そもそもこの映画に「笑い」というものを求めておらずに「なんとなく不意をくらった」というような感じなのかもしれない。 しかし、この映画(もちろん原作小説も)にとってこのような「ありえない出来事」が産む「笑い」もまた重要な、とても重要な要素なのだが。 それこそフルコース料理と同じで、二時間を越える長い映画を観客に飽きさせずに最後まで見させるのには、どうしても「ダレ場」というか観客のアタマの中をリセットさせるシーンが必要になる。どんな名作映画でもそうだ。出される料理と料理のあいだに飲む水と同じようなものなのである。 聞いたはなしだが、フルコースディナーを提供する料理店でも評判のよう店というものは、客の反応を見て、あるいは料理の種類によっては、グラスにいれる水の温度をも調整するのだという。やや温めのものを冷たいものに替えたり、あるいは炭酸水にしたりするというのだ。 この映画、映画館で実際に見たという人から、意外にも不満というか酷評が出たとすれば、それは全体を考えて提供したはずの「水の温度」を読み間違ったからなのかもしれない。 つまり、もっと刺激の強い笑いであるとか、明らかに「ダレ場」とわかるようなシーンというものがあってもよかったのかもしれない。 しかし、客が自分で自由にアタマの中をリセットできるビデオDVDとなると、この2時間20分の映画の評価はまた変ってくるはずである。 映画を観て「なんかよくわからなかった・・・」という人も、こんどはDVDのレンタルでいいからもう一度見て欲しいと思う。 参考 ライブドアブログに書いた記事 1 自分が映画に関して何かを書くと、辛辣なことしか吐かないと思われているようだ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2010年02月02日 19時33分39秒
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