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カテゴリ:おしゃべりな心・・・
あの日わたしたち家族は 事故の起こる一時間ほど前に歩道橋の前にいた 花火を見るにはこの歩道橋を渡らないと海岸には出られない わたしたち夫婦はそれぞれ 小さい子どもたち二人としっかり手を繋ぎながら 歩道橋を渡り始めた 進まない行列 蒸し風呂のような暑さ そう、去年の年末のカウントダウンイベントの時も わたしは旦那と此処にいた あの時もこんな感じだったっけ人がいっぱいで押し合いへし合い 冬だったから暑さはなかったけれどこんな感じだったな あの時一番怖かった事は たくさんの人の重さで歩道橋が崩落するのではないかということ 此処にいたくない引き返したい そんな気持ちが強く湧き上がってきたけど もう引き返せないほど後は人でいっぱいだった 八ッ・・・ここにいちゃだめだ!!! あの時みたいにこのまま進んでいったら引き返さなくなる 近くにいる旦那に 「引き返そう、ここにいちゃ駄目だよ!!」大声で叫んだ 旦那はわたしの気持ちをすぐに理解してくれた 何、逆行してるんだ 周囲の魅惑そうな冷たい視線を浴びながら わたしたち家族は歩道橋を抜け出した 落ち着いてから 「去年のカウントダウンのこと思い出したんよ、 あの時は大丈夫だったけど 帰りは怖くてあの歩道橋渡らなかったでしょ覚えてる?」 たたみかけるように旦那に話しかけた 興奮しているわたしをしり目に わかった、わかったとなだめるように頷く 「じゃあ、どこで花火見よう? もう三十分で始まっちゃう」と焦るわたしに 「任せとけ!わしは地元の人間やで ここじゃなくても見るところはいっぱいある」 わたしたち家族は走り出した 旦那 オススメの 海に面した土手についたときにはもう花火は始まっていた 音にせかされるように一気に土手を駆け上がる 四メートルあるかないかの小さな幅の土手が 見る限りずっと続いている そこにも、歩道橋ほどではないけれどたくさんの人がいた 小さい子どもでも見られる 土手の前方が空いている場所を見つけて わたしも子どもたちが見守るれように土手の後ろギリギリに立った パーン、パーン勢いよく上がる花火 何とか間に合った ほっとする そしてこんなことを考えた あのまま歩道橋にいたら今わたしたちはどうしているんだろう あの橋にいたたくさんの人たちは今どうしているんだろう みんなちゃんと花火見られていたらいいのにな ふっとそんなことを考えた途端 わたしは2,3歩前につんのめった え!!?? たくさんの手がわたしの背中を一斉に押したからだ 慌てて後ろを振り向く でも、わたしが立っていたのは土手の後ろギリギリ 人が立てる場所なんてない でも、怖いとか驚いたとかいう気持ちはあまりなくて あ、、、またか どちらかというと霊感体質なので似たようなことは今まで多々あったから ただ、「不思議だなどうしてこのタイミング?」と思いながら家路についた 疑問は家に帰ってニュースを見たときは解けた 明石歩道橋事故 あの時私の心はあそこに飛んで行ってたのかもしれない それともあのままあそこにとどまっていたら 起こっていた私の現実なのかもしれない 夏になると思い出す 花火と聞くと思い出す あの歩道橋にそれなりの危機感と恐怖を感じていたのに・・・ じゃあ何をどうすればよかったのか今でもよくわからないけれど 心痛む思いで せめて家族だけでも守れたことに感謝させてもらおう。。。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2013.07.28 16:22:31
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