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テーマ:お勧めの本(7395)
カテゴリ:小説
ヒステリックにがなりたてることを感情のぶつけあいと勘違いした実写ドラマは苦手な秋葉原愛好家です。
自分の好きな本は、ほかの人にも読んでもらいたいと思うのが、マニアというものです、たぶん。 私の最も好きな小説のひとつが「百億の昼と千億の夜」。 以前持っていた単行本は、興味のありそうな人にあげたので(専門用語で布教活動と言います(笑))、機会をみて買いなおそうと思っていたら・・・ 漫画版を手がけた萩尾望都さんのカバーイラストもまぶしい新バージョン(中の小説に変化はありませんが)が発売されていたじゃありませんか。 水墨画のようなタッチに重厚な油絵のような迫力をもつ「阿修羅王」は、私の茶室(笑)に飾りたい。 しかもこの新バージョンの解説、丸輪零・・・もとい、押井守監督が書いている! 押井監督が若かりしころ「百億の昼と千億の夜」の著者光瀬龍さんと邂逅していたことにびっくり。 言われてみれば、押井監督の作品は「うる星やつら~ビューティフルドリーマー」にしろ「機動警察パトレイバー 劇場版」にしろ「攻殻機動隊 GHOST IN THE SHELL」にしろ「イノセンス」にしろ「百億の昼と千億の夜」に通じる「喪失感」が感じられます。 通じるとはいえ、異質でもあるからか、今の今まで、押井監督と光瀬龍さんに接点があるなどとは考えたこともありませんでした。 ほんと、びっくりした。 最後にちょいと「百億の昼と千億の夜」のことを紹介しておきましょう。 このSF小説は、宇宙の開闢(かいびゃく)から黄昏(たそがれ)までという存在しうる最長に近い時間軸を舞台に、表紙にもなっている阿修羅王をはじめシッタータ(仏陀)、アトランティスの生き残りオリオナエ、帝釈天やナザレのイエスと、歴史と神話上の巨人が世界の存亡をかえる物語。 そしてこれらの巨人たちの戦いは、救世主たる弥勒菩薩さえ、世界の創生を成す「転輪王」と、世界を完全なる無へ帰さんとする「シ」の代理戦争のようなもの。 そしてさらにその外側には、別の上位世界の存在が匂う・・・これ以上の稀有壮大はないような物語です。 なお、登場人物から想像できると思いますが、熱心な仏教徒とキリスト教徒の方は、近づかないことをお勧めします。 百億の昼と千億の夜 百億の昼と千億の夜 〔新書版〕全2巻 光瀬龍/作・萩尾望都/画 (中古) こちらの漫画版も傑作です。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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